ルポライター横川和夫さんの著書【降りていく生き方】完読しました。
北海道浦河にある精神障害者の支援施設べてるの家を数年間取材し、当事者の声、支援者の思いに寄り添ったこの本。
べてるの家の非援助論は、あまりに奇想天外で斬新で型破りでいて、なのに心にストンと落ちる。
支援が時に当事者の権利を奪う今の制度。
横川さんのルポは過去にも何作か読んできたが、どれも社会のひずみに焦点をあて、横川ワールド全開で心地よい読み応え。信頼においてまず間違いない。
べてるの当事者は、仲間との摩擦の中から自分を助ける術を学び、絶望からの回復の道筋を辿る。
べてるの家を支え続けた【治さない精神科医】川村ドクターとSWの向谷地さんの試行錯誤の支援実践は、どこか危なげながらも確信と希望に満ちている。
帯にある言葉
【しあわせは私の真下にある】
いいね。
長年べてるの家に注目してきた私にとって、忘れられない一冊となりました。