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失われた時を求めて

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ダーク・ゾーン(ウルトラセブン第6話)

2007-02-04 02:31:17 | 特撮:ウルトラセブン
●「ダーク・ゾーン」昭和42年11月5日放映 ペガッサ星人登場
 制作第3話 放映第6話 脚本:若槻文三 監督:満田かずほ

 このエピソードは「宇宙都市ペガッサ」という着想から広げて、宇宙人と地球人との友情、そして宇宙からの視点で見た地球と地球人という、極めて科学的でヒューマンな題材を描いた傑作エピソードです。

 冒頭は満田監督お気に入りの挿入歌「ULTRA SEVEN」に乗せて、ホーク2号で宇宙パトロールを終えて帰還したダンとアマギのシーンです。地球防衛軍、ウルトラ警備隊の日常を描写し、設定を身近なものにする演出です。
 地球防衛軍極東基地の内部は、通路のセットは1つだけが組まれていましたが、巧みな編集で長い通路のように見えます

 奇妙な電波を受信し、その電波について相談する通信隊員たち。一番手前の短髪の隊員は上西弘次さんですネ。
 『ウルトラセブン』の作品世界では、地球防衛軍の通信隊員の描写がかなり重要な位置を占めるエピソードがあります。『ウルトラマン』では通信はフジ隊員の役割で、基地内に残らなくてはならない場合も多かったです。一方アンヌ隊員はメディカル・センターに勤務していてるので、通信は専門の防衛隊員がいたわけですネ。作戦司令室内に常時複数の通信隊員が勤務している描写は、極東基地の規模の大きさを感じさせてくれます。(それでも隊員数は300人しかいないという設定ですが‥‥^^;)
 制作第1話の「湖の秘密」で、作戦司令室がピット星人の変身した少女によって破壊されるシーンがありましたが、あの時には通信隊員がいませんでした。まだ設定が固まっていなかったのでしょう。

 このエピソードには、前半の舞台として防衛軍基地内のアンヌのプライベート・ルームが登場します。女の子の部屋らしく、ドレッサーや花(造花)、人形もあります。キッチンらしきものは無いようなので、食事は食堂で食べるのでしょうか。バスルームなどはカーテンの向こうにあるのでしょうか。

 ケガをしてアンヌの部屋に潜り込んだペガッサ星人。偶然にも良い場所を選びました(^o^) これがフルハシ隊員の部屋だったら‥‥^^; それにしても、宇宙人が侵入できる基地って、セキュリティは‥‥^^;

 一方、先の怪電波について騒然となっている作戦司令室。「6分20秒ごとに波長を変えています。」という通信隊員に対して、「その電波を追い続けろ。」という指令を出すマナベ参謀。「プロの職場」という雰囲気が子どもの頃にカッコよく見えました。

 「宇宙のある『街』から来た、とだけ言っておくヨ。」や「地球人だって立派な『宇宙人』じゃないか。」というペガッサ星人のセリフ。視点が宇宙規模に拡大され、目からウロコが落ちるような発想です。SFマインド溢れる名セリフです。
 そして、「銀河系のような島宇宙が1762億4321万0866も有るんだゼ。」というペガッサ星人のセリフに「へぇ、計算したのか。」と感心するダン。キミは「恒点観測員340号」という立場上、そんなに感心してばかりはいられないと思いますが‥‥^^;
 「工場で水も空気もつくる」というのも素晴らしい発想です。そして造花を見ての「その花は工場でこしらえたんだろ? キミたちの科学も、どうやら私たちの都市にだいぶ近付いてきたようだナァ。」というペガッサ星人のセリフは、子どもにもわかりやすい例えです。科学の輝かしい可能性と同時に、科学万能が引き起こす不便さへの警鐘が盛り込まれたエピソードだったのですネ。
 さらに「地球の軌道を変える」などというスケールの大きな話も出て来ます。私は子どもの頃に『妖星ゴラス』はまだ見ていなかったので、この突飛な着想に「そんなバカなことができるわけがない。」と思ってしまいました。ダンも当然のように「地球の軌道は変えられない」と言っているところを見ると、ウルトラの星も軌道を変えられないということなのでしょうネ。

 ペガッサ市を破壊するために出動するホーク1号。しかし爆弾の威力が不足だということで、その任務は北極基地を発った爆撃機に。そしてペガッサ市民を地球へ誘導する任がホーク1号へ。この時のダンの「ワァア。」というセリフと表情に違和感があります。にこやかな表情が未熟なのは、まだ制作話数が3話目だからでしょう。エンディングの「帰るところが無くなって、地球の上を走り回っているのかもしれないぞ。夜の暗闇と一緒に。」というセリフ回しにも不自然さが‥‥^^;

 このエピソードではフルハシのセリフが多いです。一方、ソガのセリフはホーク1号の機内でだけ。まだダンがソガと親友である設定が固まっていませんし、阿知波さんの演技力にも疑問があったのでしょうか。

 万が一の場合を想定して地球を破壊する任務を帯びていたペガッサ星人。アンヌには「ダンを連れて地球から脱出しろ。」と言いますが、地球人との間に友情が芽生えたことを象徴するセリフです。この部分が強調されると、このエピソードでのダンの苦悩がより印象深く描かれたかも‥‥。

 ペガッサ市と地球が共存できないという悲しい結末は、ハッピーエンドが主流の当時の子ども番組では珍しいものでした。それ故に『ウルトラセブン』が傑作と呼ばれるのでしょう。

 セブンの活躍は等身大で描かれました。等身大の宇宙人は『ウルトラマン』にも登場しましたが、どうしても最後は巨大化してウルトラマンと戦いました。「巨大化しない宇宙人」と戦う等身大のセブンは却って斬新です。
 ペガッサ星人はとどめを刺されず、生きたまま逃走しました。これがこのエピソードの救いです。そしてダンに「もう一遍逢いたいなぁ。」と言わせることによって、セブンとして刃を交えたけれども、友情には変わりがないことが描かれたことが嬉しかったです。


  ●ペガッサ星人

 侵略が目的ではなく、また高い科学力を持っている設定なので、悪意を感じさせないデザインが心掛けられています。胸にあるハート型の発光部がその象徴でしょう。

 アイスラッガーが顔に当たりますが、逃亡しました。

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