
●「来たのは誰だ」昭和42年2月12日放映 吸血植物ケロニア登場
制作第30話 放映第31話 脚本:海堂太郎 監督:樋口祐三
樋口監督の2度目のローテーションです。怪奇性とヒーロー性が前面に出た、快作エピソードです。人気も高いですネ。
今話から主題歌のヴァージョンが変更され、大人のコーラスが入らない「Cタイプ」が使われています。ちょっと歌い方が乱暴なような感じがします。
南アメリカ支部からやって来たゴトウ隊員役で、桐野洋男さんがゲスト出演されています。私、子どもの頃はハヤタ役の黒部進さんと桐野さんの区別がつかなくて、二役やっているのかと勘違いしていました‥‥(^^ゞ 劇中でゴトウ隊員が科特隊の隊員服(オレンジ色のも青いブレザーも)を着ることが無いので、辛うじて混乱せずに済んでいました。もしかしたら樋口監督はその点に気付いて、ゴトウ隊員には終始スーツ姿で出演させていたのかもしれません。
そして、植物研究のニノミヤ博士役で、『セブン』のウルトラ警備隊キリヤマ隊長としてお馴染みの中山昭二さんが出演されています。科特隊の制服を着ているアラシ隊員役の石井伊吉さん(『セブン』ではフルハシ隊員役)と並んでいるシーンが不思議な感じです。
和やかな雰囲気で、20年ぶりに日本に帰国したゴトウ隊員を迎える科特隊員たち。ゴトウ隊員のお父さんが科特隊員であったこと、そしてお父さんが亡くなって科特隊の見習いとして働き始めたことなどの身の上が、ゴトウ隊員の口から語られます。
しかし、キャップがパイプに火を点けようとしたところで、怪しげな劇伴が‥‥。ライターの火が点かず、続いてフジ隊員がマッチを擦ると、またまた火が消えてしまいます。ゴトウ隊員の目を細める表情がわかりやすく怪しい!
「疲れている」というゴトウ隊員を科特隊の「レストルーム」へ。あの~、「restroom」というのは「トイレ」のことなんですが‥‥^^; このセリフが出ると、今ではいつもニヤニヤしてしまいます‥‥。
そのレストルームへ案内するフジくんに、ゴトウ隊員は「この建物は何製ですか? 何でできてます? この建物‥‥。」と尋ねます。セリフ回しの不自然さが、怪しさと日本語を忘れそうだというたどたどしさ、そして直後にゴトウ隊員の身元を確認することにつながる重要性を強調しています。秘密事項を軽々しく口にするなんて‥‥。ミュージック・ソーの劇伴が不気味さを煽ります。
部屋に入るなり、怪しい行動をとるゴトウ隊員。腕に何かを押し当てて「プシューッ」として、「ウゥ!」という表情を見せるシーンは、何をしているのかはわからないけれど、薬物依存か何かのとてもイヤな感じがします。子どもの頃はこのシーンが訳も無く怖かったぁ~! この短いシーンがあるだけで、ケロニアの生態が人間とは全く異なることが感じられます。
ゴトウ隊員を怪しむ作戦司令室では、ハヤタの「ゴトウ氏が『謎の怪人物』だと言うのか」という発言が‥‥。意味が重複している‥‥。
先の「何製」発言から、疑惑を深めるキャップ。ボリビア支部(あれ? 南アメリカ支部では?)と連絡をとりますが、無線が不通‥‥。
そこへ、急展開となるタカラ市での奇妙な植物発生事件の通報が。「キノコに似た植物」ということですが、予算か時間的な都合でしょうか、子どもの目にもその造形物はとても植物には見えませんでした‥‥。
怪植物の情報を得るために、ハヤタ、イデ、アラシの3名はニノミヤ博士の元へ。胞子で増える痕跡が無いことからキノコであることは否定され、食虫植物の話が持ち出されます。
そこで科特隊員たちは、20年前にアマゾンで発見された「移動できる吸血植物」の存在と、ニノミヤ博士の恩師・ゴトウジロウのことを知ります。「ゴトウ」という名前に一斉に驚く科特隊員たち! いよいよ真相に迫ってワクワク(^o^)
一方、ゴトウ隊員の部屋を探りに行ったフジくんは、タンスから現れたケロニアの目から発せられた怪光線によって失神させられます。このシーンと『仮面ライダー』第9話のコブラ男のお陰で、タンスの中には何かがいるようなトラウマができてしまいました‥‥。どこかに潜んでいそうな等身大のモンスターは怖いです。ショック音楽の効果も抜群です。
ゴトウ隊員のスーツケースの中から、ケロニアを発見するハヤタ。そしてニノミヤ博士はそこに人間の血液組織が含まれていることを発見します。正体が知られるのを恐れてニノミヤ博士を襲撃しに向かうゴトウ=ケロニア! 彼を追跡するハヤタ!
20年の間に人間への変身能力や、エアシップを建造する科学力を身につけるなど、驚くべき進化を遂げています‥‥^^; ちょっと飛躍し過ぎた感があります。
巨大化して街の破壊を始めるケロニア。火が苦手なケロニアだけあって、目からの怪光線で建物が爆発しても、火の手は上がりません‥‥。地上のイデ、アラシ、ハヤタのシーンは晴海ふ頭でのロケです。
迫力たっぷりに建物を突き破って登場するウルトラマン。今回はスペシウム光線も通じない相手に、長い時間の肉弾戦が堪能できます。人型の対戦相手だと、巴投げや跳び蹴りなど、闘い方にも大技が多くなっています。
最後は新技・アタック光線によってケロニアを粉砕! そしてスペシウム光線でエアシップ群を撃破!
エンディングでは、フジくんがケロニアに襲われた現場検証で、イデ隊員との仲の良さを見せ付けてくれます。
「植物人間」というセリフは、今ではマズイのではないでしょうか。
最後のニノミヤ博士(なぜそこに!?)のセリフ、「いくら高度に発達しても、血を吸って身を肥やすのは、もはや文明とは言えないんですから。」は、非常に婉曲的に、心を失って高度に成長を急いでいる日本経済への警鐘に聞こえます。
●ケロニア
(HGシリーズでは立体化されていないので、画像はありません)
目から怪光線を発射し、生物を麻痺させます。巨大化してからは破壊光線となります。さらに巨大化や人間への変身能力を持っていて、人間の言葉を話すことができます。
幼年期は非常に燃えやすく、急激な成長を遂げます。
テレパシーや体内で電気を発生させることもできます。
植物型の怪獣としては「グリーンモンス」や「サタンローズ」がいますが、人型の植物怪人としては「ワイアール星人」に先んじるものです。私は植物が進化した「ケロニア」が「目を持っていること」に違和感を覚えます。
制作第30話 放映第31話 脚本:海堂太郎 監督:樋口祐三
樋口監督の2度目のローテーションです。怪奇性とヒーロー性が前面に出た、快作エピソードです。人気も高いですネ。
今話から主題歌のヴァージョンが変更され、大人のコーラスが入らない「Cタイプ」が使われています。ちょっと歌い方が乱暴なような感じがします。
南アメリカ支部からやって来たゴトウ隊員役で、桐野洋男さんがゲスト出演されています。私、子どもの頃はハヤタ役の黒部進さんと桐野さんの区別がつかなくて、二役やっているのかと勘違いしていました‥‥(^^ゞ 劇中でゴトウ隊員が科特隊の隊員服(オレンジ色のも青いブレザーも)を着ることが無いので、辛うじて混乱せずに済んでいました。もしかしたら樋口監督はその点に気付いて、ゴトウ隊員には終始スーツ姿で出演させていたのかもしれません。
そして、植物研究のニノミヤ博士役で、『セブン』のウルトラ警備隊キリヤマ隊長としてお馴染みの中山昭二さんが出演されています。科特隊の制服を着ているアラシ隊員役の石井伊吉さん(『セブン』ではフルハシ隊員役)と並んでいるシーンが不思議な感じです。
和やかな雰囲気で、20年ぶりに日本に帰国したゴトウ隊員を迎える科特隊員たち。ゴトウ隊員のお父さんが科特隊員であったこと、そしてお父さんが亡くなって科特隊の見習いとして働き始めたことなどの身の上が、ゴトウ隊員の口から語られます。
しかし、キャップがパイプに火を点けようとしたところで、怪しげな劇伴が‥‥。ライターの火が点かず、続いてフジ隊員がマッチを擦ると、またまた火が消えてしまいます。ゴトウ隊員の目を細める表情がわかりやすく怪しい!
「疲れている」というゴトウ隊員を科特隊の「レストルーム」へ。あの~、「restroom」というのは「トイレ」のことなんですが‥‥^^; このセリフが出ると、今ではいつもニヤニヤしてしまいます‥‥。
そのレストルームへ案内するフジくんに、ゴトウ隊員は「この建物は何製ですか? 何でできてます? この建物‥‥。」と尋ねます。セリフ回しの不自然さが、怪しさと日本語を忘れそうだというたどたどしさ、そして直後にゴトウ隊員の身元を確認することにつながる重要性を強調しています。秘密事項を軽々しく口にするなんて‥‥。ミュージック・ソーの劇伴が不気味さを煽ります。
部屋に入るなり、怪しい行動をとるゴトウ隊員。腕に何かを押し当てて「プシューッ」として、「ウゥ!」という表情を見せるシーンは、何をしているのかはわからないけれど、薬物依存か何かのとてもイヤな感じがします。子どもの頃はこのシーンが訳も無く怖かったぁ~! この短いシーンがあるだけで、ケロニアの生態が人間とは全く異なることが感じられます。
ゴトウ隊員を怪しむ作戦司令室では、ハヤタの「ゴトウ氏が『謎の怪人物』だと言うのか」という発言が‥‥。意味が重複している‥‥。
先の「何製」発言から、疑惑を深めるキャップ。ボリビア支部(あれ? 南アメリカ支部では?)と連絡をとりますが、無線が不通‥‥。
そこへ、急展開となるタカラ市での奇妙な植物発生事件の通報が。「キノコに似た植物」ということですが、予算か時間的な都合でしょうか、子どもの目にもその造形物はとても植物には見えませんでした‥‥。
怪植物の情報を得るために、ハヤタ、イデ、アラシの3名はニノミヤ博士の元へ。胞子で増える痕跡が無いことからキノコであることは否定され、食虫植物の話が持ち出されます。
そこで科特隊員たちは、20年前にアマゾンで発見された「移動できる吸血植物」の存在と、ニノミヤ博士の恩師・ゴトウジロウのことを知ります。「ゴトウ」という名前に一斉に驚く科特隊員たち! いよいよ真相に迫ってワクワク(^o^)
一方、ゴトウ隊員の部屋を探りに行ったフジくんは、タンスから現れたケロニアの目から発せられた怪光線によって失神させられます。このシーンと『仮面ライダー』第9話のコブラ男のお陰で、タンスの中には何かがいるようなトラウマができてしまいました‥‥。どこかに潜んでいそうな等身大のモンスターは怖いです。ショック音楽の効果も抜群です。
ゴトウ隊員のスーツケースの中から、ケロニアを発見するハヤタ。そしてニノミヤ博士はそこに人間の血液組織が含まれていることを発見します。正体が知られるのを恐れてニノミヤ博士を襲撃しに向かうゴトウ=ケロニア! 彼を追跡するハヤタ!
20年の間に人間への変身能力や、エアシップを建造する科学力を身につけるなど、驚くべき進化を遂げています‥‥^^; ちょっと飛躍し過ぎた感があります。
巨大化して街の破壊を始めるケロニア。火が苦手なケロニアだけあって、目からの怪光線で建物が爆発しても、火の手は上がりません‥‥。地上のイデ、アラシ、ハヤタのシーンは晴海ふ頭でのロケです。
迫力たっぷりに建物を突き破って登場するウルトラマン。今回はスペシウム光線も通じない相手に、長い時間の肉弾戦が堪能できます。人型の対戦相手だと、巴投げや跳び蹴りなど、闘い方にも大技が多くなっています。
最後は新技・アタック光線によってケロニアを粉砕! そしてスペシウム光線でエアシップ群を撃破!
エンディングでは、フジくんがケロニアに襲われた現場検証で、イデ隊員との仲の良さを見せ付けてくれます。
「植物人間」というセリフは、今ではマズイのではないでしょうか。
最後のニノミヤ博士(なぜそこに!?)のセリフ、「いくら高度に発達しても、血を吸って身を肥やすのは、もはや文明とは言えないんですから。」は、非常に婉曲的に、心を失って高度に成長を急いでいる日本経済への警鐘に聞こえます。
●ケロニア
(HGシリーズでは立体化されていないので、画像はありません)
目から怪光線を発射し、生物を麻痺させます。巨大化してからは破壊光線となります。さらに巨大化や人間への変身能力を持っていて、人間の言葉を話すことができます。
幼年期は非常に燃えやすく、急激な成長を遂げます。
テレパシーや体内で電気を発生させることもできます。
植物型の怪獣としては「グリーンモンス」や「サタンローズ」がいますが、人型の植物怪人としては「ワイアール星人」に先んじるものです。私は植物が進化した「ケロニア」が「目を持っていること」に違和感を覚えます。
血を吸う描写がなくても怖い怖い
それでいてアクションシーンは爽快爽快
ケロニアが爆発寸前にストップモーションになるのがまた手が込んでてGOOD!
箪笥の中から吸血植物!
アイアンキングのテーマに似てまっす!
ウルトラマンとケロニアの戦闘シーンは、シリーズ中でも屈指の迫力だと思います。
ウルトラマンの雄姿がたっぷり描かれていたり、科特隊の「捜査隊」としての活躍も堪能でき、やはり樋口監督のプロデューサー的発想(当時はまだ違いますが)が活かされていますネ。
HGまだ出てないけど、このままDG終了なんて考えたくないです。名鑑はあるけど・・・
DGの今後はどうなってしまうのでしょうか‥‥。せっかくデジタルの手法を採り入れた新展開で、その実力をバルタン星人やベムラー、ザラガスで見せつけてくれただけに、このままフェイドアウトしてしまうのが残念です。
>≫「植物人間」というセリフは、今ではマズイのではないでしょうか?。
そういえば、「植物人間」と言う言葉は最近では、差別用語に登録(言い換えるなら「植物状態」じゃないかと思います)されているそうですね。
僕も「植物人間」と言う言葉を新聞などで目にすると「体中が植物になった人間」をイメージして、ゾッとします。
そういえば、昔ウルトラマン関連の本を持っていましたが、ケロニアの肩書きが「植物人間」と記載されていたのを覚えていますが、今の書籍においてケロニアの肩書きがどうなっているのか気になるところです。
アキコは何故、ケロニアに悲鳴をあげなかったんですかね?