●「光る通り魔」昭和43年11月3日放映
制作第8話 放映第8話 脚本:上原正三・市川森一 監督:円谷一
このエピソードは、田村奈美(奈己)さんの美しさと、最後の「特製ビール」の違和感が印象的です。円谷一氏にとっては、このエピソードが円谷プロでの最後の演出作品だそうです。
田村さんは『ウルトラマン』第35話「怪獣墓場」でのビン底メガネのロケットセンター局員や、『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」のマエノ博士役でもお馴染みです。『ウルトラQ』では「ペギラが来た!」でヒロインを演じていらっしゃいました。ここまでの円谷作品に連続して出演されているのは、小林昭二さんと田村さんのお2人だけです。
あ、この「光る通り魔」にはもう1人、東宝、円谷プロ作品の名脇役の勝部義夫さんも出演されています。勝部さんも『Q』~『怪奇大作戦』の皆勤です。田村奈美さんは『帰ってきたウルトラマン』以降には出演されませんが、勝部さんと小林昭二さんは出演されています!(加藤茂雄さんはさらに『レオ』『ファイヤーマン』『ジャンボーグA』『ティガ』にも出演されているんですが‥‥。ここまで来るとすご過ぎます‥‥。)
「燐光人間」を表現する特撮は、これが限界なのでしょうか‥‥。『人喰いアメーバの恐怖(マックーンの絶対の危機)The Blob」のような造形物が、林洋子(田村奈美さん)を訪問していた婚約者:青木係長を襲おうとした時に使われていますが、マスク合成の緑色の不定形物よりも、全編それで良かったような‥‥。しかも、セリフでは「光る人間」「あそこに立っていた」「じっと上を見ている感じ」という表現もあるので、脚本の段階ではもっと「人間的なモノ」としようとしていたのだと思われます。
阿蘇の火口から這い上がろうとする山本のシーンが怖い! 牧のセリフ、徐々に姿が変わっていく山本‥‥。あり得ない疑似科学が、ミョーに説得力を持って迫ってくるのと同時に、演技と映像にインパクトがあります。
阿蘇でのロケでエントランスとロビーが一瞬映る「阿蘇白雲山荘」は、私が高校の修学旅行で泊まったことがあります。その時は『怪奇大作戦』のことは忘れていました(^^ゞ あの時にロケで使われたことを知っていたらなぁ‥‥。
山本が林洋子に預けていた本のタイトルが「沈黙」とは! こういう小道具の使い方ってニクいですネ! 山本は沈黙したまま自殺するつもりだったのですねぇ‥‥。
事件がただの怨恨ではなく、大規模な汚職事件が絡んでいたというのは、子どもには理解するのが難しいです。特にこのエピソードは、子ども向けの部分が全く感じられません。『怪奇大作戦』はこのエピソードから違う次元へと昇華していきます。
林洋子と青木係長の結婚式で、「特製ビール」によって山本を退治するSRIの面々。汚職事件も明るみに出て、彼は報われたのに‥‥。殺人と殺人未遂事件の犯人ではありますが、そこまでする必要はないと思います。また、「特製ビール」を手にした時の牧のにこやかな表情には、山本の心情を思い計っていた阿蘇での姿とはあまりにもかけ離れています‥‥。さらに、「氷の死刑台」でもそうですが、「SRIが事件関係者を殺す」という解決法に疑問が残ります‥‥。
制作第8話 放映第8話 脚本:上原正三・市川森一 監督:円谷一
このエピソードは、田村奈美(奈己)さんの美しさと、最後の「特製ビール」の違和感が印象的です。円谷一氏にとっては、このエピソードが円谷プロでの最後の演出作品だそうです。
田村さんは『ウルトラマン』第35話「怪獣墓場」でのビン底メガネのロケットセンター局員や、『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」のマエノ博士役でもお馴染みです。『ウルトラQ』では「ペギラが来た!」でヒロインを演じていらっしゃいました。ここまでの円谷作品に連続して出演されているのは、小林昭二さんと田村さんのお2人だけです。
あ、この「光る通り魔」にはもう1人、東宝、円谷プロ作品の名脇役の勝部義夫さんも出演されています。勝部さんも『Q』~『怪奇大作戦』の皆勤です。田村奈美さんは『帰ってきたウルトラマン』以降には出演されませんが、勝部さんと小林昭二さんは出演されています!(加藤茂雄さんはさらに『レオ』『ファイヤーマン』『ジャンボーグA』『ティガ』にも出演されているんですが‥‥。ここまで来るとすご過ぎます‥‥。)
「燐光人間」を表現する特撮は、これが限界なのでしょうか‥‥。『人喰いアメーバの恐怖(マックーンの絶対の危機)The Blob」のような造形物が、林洋子(田村奈美さん)を訪問していた婚約者:青木係長を襲おうとした時に使われていますが、マスク合成の緑色の不定形物よりも、全編それで良かったような‥‥。しかも、セリフでは「光る人間」「あそこに立っていた」「じっと上を見ている感じ」という表現もあるので、脚本の段階ではもっと「人間的なモノ」としようとしていたのだと思われます。
阿蘇の火口から這い上がろうとする山本のシーンが怖い! 牧のセリフ、徐々に姿が変わっていく山本‥‥。あり得ない疑似科学が、ミョーに説得力を持って迫ってくるのと同時に、演技と映像にインパクトがあります。
阿蘇でのロケでエントランスとロビーが一瞬映る「阿蘇白雲山荘」は、私が高校の修学旅行で泊まったことがあります。その時は『怪奇大作戦』のことは忘れていました(^^ゞ あの時にロケで使われたことを知っていたらなぁ‥‥。
山本が林洋子に預けていた本のタイトルが「沈黙」とは! こういう小道具の使い方ってニクいですネ! 山本は沈黙したまま自殺するつもりだったのですねぇ‥‥。
事件がただの怨恨ではなく、大規模な汚職事件が絡んでいたというのは、子どもには理解するのが難しいです。特にこのエピソードは、子ども向けの部分が全く感じられません。『怪奇大作戦』はこのエピソードから違う次元へと昇華していきます。
林洋子と青木係長の結婚式で、「特製ビール」によって山本を退治するSRIの面々。汚職事件も明るみに出て、彼は報われたのに‥‥。殺人と殺人未遂事件の犯人ではありますが、そこまでする必要はないと思います。また、「特製ビール」を手にした時の牧のにこやかな表情には、山本の心情を思い計っていた阿蘇での姿とはあまりにもかけ離れています‥‥。さらに、「氷の死刑台」でもそうですが、「SRIが事件関係者を殺す」という解決法に疑問が残ります‥‥。
林洋子が山本について語る冷徹さが妙に印象的でした。
特に山本が預けた「沈黙」を本棚に放り込んで忘れていたり‘かかわりたくなかったんです’という言葉が特に印象的。
真面目一本だった人間だからこそ汚職事件に巻き込まれ自殺せざるをえなかった事などは、
不条理そのものでしょう。
私的には燐光人間となってしまった山本を退治するのは、成仏させるという幕引きかなと思ってます。
なぜなら あのまま生きていても暴走してしまう危険性の方があるのでは?と思ってました。
山本にとって唯一の救いは洋子が最後に燃え尽きる燐光人間の最期を見て涙していた事ではないでしょうか。
ちなみに「沈黙」は隠れキリシタンを題材にした遠藤周作の作品ですが、脚本の市川森一と
遠藤周作はいずれもクリスチャンでしたから こういった接点があったのではないかと思ってます。
でも‥‥、やっぱりSRIが直接に手を下してはいけないと思います。
なるほど、『沈黙』の引用にはそういう意味もあったのかもしれませんネ。
汚職事件が発覚した直後に
あんな盛大に結婚披露宴なんてやってんですから・・
冒頭で殺された人も浮かばれませんて!!
しかし
この燐光人間こそ
人間の怨念の具現化
エースのヤプールの原型ですな
脚本も上原・市川の共作
やっぱり二人とも A級のシナリオライターだす。