景色を十分堪能した.
さぁ、降りよう.
山頂からの斜面で尻シェードしようとしたが、雪が深くて滑らない(^^;
ここら辺(中岳の登り返し)はアイスバーン.
中岳から宝剣岳・三沢岳を望む.
左下に宝剣山荘が見える.
ここら辺はごくごく普通の稜線漫歩.
がっ!その時、後方から若い女性の“キャー!”という尋常とは思えない叫び声が.
ふっと振り返ってみると….
ん?尻シェードで遊んでるのかいな?
いや、違う!どんどん加速がついていく.
滑落だ( Д ) ⊙ ⊙ !!
まずいぞ!何としても止まれーっ!(願)
全く問題ない緩斜面のトレースコースだったのに、なぜあっちに向けて滑り始めたんだ!?
ズーム
と、止まった…(ホッ)
彼女、ポールだけでピッケルを持っていなかったそうだ.
尻もち状態で止まったように見えたので、アイゼンの踵が効いた、ということなのだろう.
しかし、場合によってはアイゼンの引っ掛かりが裏目に出て、バウンドして回転し始めて、一巻の終わり.
幸運だったと神に感謝だね.
彼女、冷静になって思い返せば、さらに恐怖が増すことだろう.
男性が助けに行っている.
周りの話では彼氏ではないらしい.
この時、私は周囲の人とお話をしていたのだが、
もちろん第一に彼女が止まって良かった、良かったが主ではあるのだが、
「彼、助けに行かない方が良い」
とか、
「たとえ木曽駒(ケ岳)でもピッケルを持って上がらないとは.来てはいけないヒトだ.」
遠目に見れば、しっかりアイゼンを効かせれば滑らない程度の斜面に見えるが、
彼の目線は、コースでない斜面を上から下へ見下ろしている視野になっているはず.
これでは、どんな雪庇があるかもわからない.また万が一、不意に抱き着かれでもしたら二人とも落ちてしまう.
二次被害を防ぐためにも、「未熟なのに安っぽい正義感だけで安易に助けに行かない方が良い」、
という意味と解釈した.
少なくとも彼女は自力で立てた.
しっかりアイゼンを効かせて、一人で上がってくるのを周りの人たちで温かく応援してあげる、というのが正解なのだろう.
もちろんザイルを持っている上級の方がいれば、慎重に助けに行っていただきたいところではあるが.
こだわる様で恐縮だが、滑落の瞬間を目撃するのはとてもセンセーショナルな出来事.
今はGoogle Earthがあるので、ネット検証してみたい.
生写真でもお分かりとは思うが、なんてことはない緩斜面である.
全くの彼女の油断という他ない.
反対方向から谷方向へ向けて鳥瞰してみると、なんと恐ろしい谷が口を開けて待っている.
Google画像ではなんてことない斜面に見えるが、実際に滑り始めたら止まらない.
あんなところまで落ちていったら、どこかで頭を打って命は危険だっただろう.
何はともあれ、ヒトが落ちていくのを見ないで済んだ.
さぁ、前に進もう.
乗越浄土
さー、こっからが大変だ.
実際には八丁坂の取り付きは、登りの時にも書いたが、きつい傾斜で、アイスバーン.
皆さんは立ったまま前向きに降りて行っているが、私には到底できない芸当.
私は、ピック効かせて、アイゼンの前歯をキックで食い込ませ、四つん這いで降りた.
なんか危なっかしい人もたくさんいる.
彼ら、いったん滑ったら、下位の方々も巻き込んで大事故になる、という危機意識はあるのだろうか?
この写真は、既にカメラを構える余裕ができ始めたことを物語る.
何はともあれ雪が深くなっていったので、靴をキックして階段にしつつ降りる.
途中恐怖で座り込んでいる方もいるが、自力で降りるしかない.
ゆっくり、ゆっくり.
利き足の関係上、常に同じ方向の体位で降りるので、右の股関節が疲れる…(^^;
ひゃっほー!
こっから尻シェード、ピッケルトレーニングの嵐だぜ!
どーだ、私の尻シェードの跡だ.
ピッケルワーク、初めて実践してやったぜ.
1:30.
3時間の雪山山行だったか.
楽しかった.
さー、帰ろう.
ロープウェイ駅.
2:25.
おー、まだまだ上がってくるぜ(^O^).
では、さようなら.
菅の台バスセンター到着.
お疲れさーん\(^o^)/
コマクサの湯で一っ風呂
前泊、“天山”に急遽「もう一泊させてー」、とお願い.
おばちゃん、えらく私のことを気に入ってくださってたみたい.
「でも、ほんとは今日はお客さん取らないって決めてたんだけど、いいよ、いいよ」と.
「その代わり、私とお酒付き合ってよ」と(^^;
ちょっと嫌な予感はしますが、御伴します.
で、味噌カツドンと信州そばのセット.
敢えて言います.これは食べるべきです.うまいです!
この辺りは味噌カツドンが名産で、甘辛いソースで濃厚な味.
ものすごく美味しい.太るだろうなー(^^;
これは、馬の腸で、このあたりの名物料理で、“おたぐり”という.
これがまた旨いのなんのって、酒が進む.
私はホルモンより全然こっちが好きになった.
嫌な予感は的中し、お母さんの、娘が思いどおりにならん、という愚痴をしこたま聞かされ…(^^;
奢っていただきました(^O^)
付録
最終日20日は、まだ一度も行ったことがない下呂温泉へ立ち寄ってみることにした.
とても活気がある温泉街で感心した.
泉質は特別ではなかった.
“クアガーデン露天風呂”と“山形屋”さんに、立ちより湯に入り、「よし、これで下呂温泉も入ったぞ」
でも、下呂温泉というところは、交通の便が悪いからもう行かないだろうな.
あれはまさに、名古屋の奥座敷、ってかんじだ.
午後1:30 中津川でレンタカーを返し、
- 14:06 中津川 発 しなの12号
- 15:01 名古屋 着
- 15:13 名古屋 発 のぞみ38号
- 17:26 広 島 着
15:13の名古屋発なら、まだ席には座れるだろうと思いきや、殺人的な混雑だったわな(^_^)
楽しい雪山だったなー.
行ってよかったなー.
ケガ一つせず帰ってこれてよかったなー.
冬山好きになっちゃったなー\(^o^)/
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