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横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

「天文宇宙検定」の問題の改善をお願いしたい

2013年04月08日 | 地球物理学一般
「天文宇宙検定」は、2011年に第1回検定が実施された新しい私的検定で、天文宇宙委員会が主催しているものです。これまでのところ毎年10月に検定が実施されています。

公的な検定では全くなく、何かを行う資格が得られるでもなく、あくまで趣味の域を脱しませんが、こういった検定は応援したくなります。

ですが、この検定の運営、もっと言えば出題される問題に、いまのところどうも賛同できません。昨年の1級の問題をみてみると、

 ・次の県のうち、プラネタリウム施設がない県はどこか

などという問題が出ています。科学の検定とは思えません。ほとんど高校生クイズの世界です。ほかにも、小説『天地明察』に登場しない道具は次のうちどれか、なんていう問題もあります。ハッキリ言って、出題者の意図(一般の天文ファンである受験者に何を求めているのか)が私には理解できません。

また、人工衛星に使われない素材はどれか、という問いがあり、答えが「プラスチック」とされています。これも実に不適切です。事実、世界中の大学や研究所において、人工衛星で使うためのプラスチック素材が日夜研究・開発されています。

市販されている当検定の公式問題集をみてみると、さらに茫然としてしまいました。

 ・機動戦士ガンダムのなかで、アムロが住んでいたコロニーの特徴のうち、誤っているのはどれか

なんていう問題があります。まともな検定をやる気があるんでしょうか…?

第2回検定の1級の合格率は、なんとわずか1.2%だったそうです。四者択一のマーク式で、7割以上正答が合格ラインで、1.2%の合格率ということは、「適当にマークしたのが偶然正解だったという幸運な1~2名が合格した」という状況なのではないでしょうか。

私的検定ですので、どのような問題を出そうが主催者の勝手、と言われればそれまでなのですが、検定料や公式問題集の販売で一般の天文ファンや子供たちから、少なくないお金をとっていることも事実です。誠意ある態度で検定を行っていただくよう、期待したいところです。


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