日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

 「男らしくしなさい!」

2020年03月09日 07時32分40秒 | 政治
と、その「女」は言った、そうである。
 「彼女」はその当時広島県議会議員、それも未だ一年生議員だった。「男らしく、女らしく」、こういう言い方は性差を助長するので一番いけない! まして、いわれなき性差をより多く受けている女性が「男らしく」などと言えば、かえって性差を許容することにさえなってしまう。まして、彼女が政治家だというから益々よろしくない。
 この話の詳細は次のようである;――「広島県議会の語り草に『男らしく』発言というのがある。2006年3月、広島県議会予算特別委員会。その時のやりとりが議事録に見える。質問に立った1年生県議が「知事、男らしくなさいよ」と勝ち気に責め立てている。当時、4期目の県知事は政治資金パーティーの収入を少なく申告したかどで後援会の幹部が逮捕されていた。「公判中なので…」と濁す答弁に食い下がった末の発言だった。『私なら辞職をしています』と駄目押しまでした」(広島新聞2010/01/10)
 こう「男」の悪を懲らしめているジャンヌ=ダルクこそ、誰あろういま世上を騒がせている河井案里参院議員の若かりし頃の武勇伝。「因果応報」、今や自らの身辺が公選法に絡む疑惑にまみれて、日一日と身辺に捜査が迫っている。それこそ上記非難の矛先がブーメランとなって自身に返ってきたようだ。かくなる上は「女らしく」でなく「人間らしく」あらいざらい白日の下に晒して広島県民だけでなく全国民に真相をすべて示してもらいたい。これもまた「性差」の問題でなく、「人間」の問題だ。男であろうと女であろうと、悪事をはたらいたらすべてを告白して天と地と人に対して心から謝罪すること、それしかない。
 この河合案里議員の選挙については、彼女の夫河合克行当時法務大臣がこれを陣頭で仕切り、この折の公職選挙法違反の疑いをもって法務検察の捜査を受ける羽目となり、結果、折角の初大臣のポストを失っている。かくのごときあってはならない疑惑について妻は言うに及ばずこの夫も国民に何も語らない。
それだけではない。この不届きな夫婦に対しておよそ不可解な支援をした内閣総理大臣安倍晋三氏もまた自らの政治責任について何も語っていない。以上を要するに、男らしくでもなく、女らしくでもなく、これら三人は「人間らしからぬ」行動を今日までとり続けている。
 広島新聞のコラムは次のように締めくくっている。:――「『男らしく』に『女らしく』。鋳型にはめ込むような、そうした押し付けは偏見や嫌がらせのもとになりかねない。ただ、『人間らしく』と諭せる人が政界にいるかどうかは別の問題である」(2010/01810広島新聞【天風録】)と。むべなるかな!である。


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