日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

「憎まれ者」川勝さんがいた時代が本当はよかった!?

2024年05月15日 07時28分03秒 | 政治
 「リニア中央新幹線の着工に反対してきた静岡県知事の川勝平太氏が9日に辞職し、26日投開票の知事選の結果次第で、工事が進む可能性が出てきた。ただ、与党内にも『リニアは本当に必要なのか』と疑問を投げかける政治家がいる。自民党の石破茂・元幹事長だ。政界随一の鉄道好きは、『国家プロジェクト』と言われるリニア計画の何が『腑に落ちていない』のだろうか」(2024/05/10毎日新聞)
この記事の中で、石破氏の「見解」としては、①「本当に東京から大阪まで通すリニアが必要なのか」という議論が十分成熟していない」。②移動時間の短縮を挙げているが、それが本当に必要か、「飛行機と役割を分担してもよいのではないか?」③東海道新幹線の老朽化を根拠にしているが、60年経った今維持管理しながらこれで十分に機能しているではないか」④首都・中京・関西三圏域のメガリージョンを謳っているがそれが本当に良いことか?等々の疑問符を提示して、熟慮の必要性を語っているという。卓見である。
辞任した川勝前静岡県知事のリニア工事に対する必ずしも論理的とは言えなかった見解にも問題がなかったわけでは無いが、この事業の進捗に停滞感が有ったのは彼の責任ばかりではない。山梨県笛吹市まで延伸してきた山梨実験線はそこから笛吹川をまたいで甲府盆地平坦地に着地する間の、完成すれば世界屈指の大規模な高架橋となるであろう建設着工は何時始まるとも知れない雰囲気を漂わせている。また、品川から神奈川県相模原に至る大深度地下掘削工事もその地盤安定性への疑問を抱えて停滞しているように見える。相模原と中津川の車両プール工事も同様だ。そして川勝さんと悶着のあった赤石岳直下のいまだに年間0.4センチ成長し続ける不安定な大山脈に掘り進む南アルプストンネル工事等々、リニア工事の難問はいよいよもって茨の道が待ち伏せている。これら各箇所では何が有っても不思議ではない難工事が待っている。
一方では、筆者が今これを書いている書斎の裏窓から200m先に見える高架橋柱の工事は小田原普請も好いところ、着工来2年の余を経ても未だにその姿が現れない程にスロー工事を続けている。全計画経路中でもっとも長い明かり区間のここ周辺では何十本もの橋脚を必要とするはずだが、この一本以外には一向に着工されない。そのペースを見ているともはやJR東海は戦闘意欲を失っているのではないかとさえ思えるほどに勢いを欠いている。ここへきて、2027年完成を放棄したというが、この分では完工が何時になることか、ますます分からなくなってきた。この遅延を川勝平太氏の責に帰するには無理がありすぎる。
川勝さんが千本槍を受けていてくれていた時はよかったが、彼が消えて工事の停止や延期を言う人が居なくなって、もっとも緊張を強いられるのはJR東海の幹部たちであろう。工事が終わり、路線が全通してもそれから何百万キロかの試運転でシステムの安定性と安全性を確認するフェーズが待っている。ここまで物心両面で追い詰められたJR東海とその幹部たちに筆者は心から同情している。「憎まれ者」川勝さんがいた時代は本当はよかった!?
 


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2 コメント

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Unknown (integrale)
2024-05-15 12:48:31
リニア計画は、今こそ立ち止まり、考え直す良いタイミングではないでしょうか。
Unknown (ewkefc)
2024-05-16 00:54:29
『「憎まれ者」川勝さんがいた時代が本当はよかった!?』に対する意見
https://blog.goo.ne.jp/genyoanki/e/b71aee88bfd326fca135b712e34964bd

>「憎まれ者」川勝さんがいた時代は本当はよかった!?

岐阜県瑞浪市大湫町で井戸水の水位低下や枯渇が起こっていると報じられました。
原因は、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事の可能性が高いと報じられています。
もしリニア工事が原因であれば、責任は工事を認めた岐阜県と県民にあります。
岐阜県の古田知事は、静岡工区の工事を認めない静岡県の所為で2027年の開業が難しくなったことについて、誠に残念であると発言していました。
しかし、本当に残念なのは開業が遅れたことではなく、安易に工事を認めたことで起きた井戸の枯渇、つまり県民の生活を破壊したことなのです。

川の水が枯れ、地下水からの重金属が検出された事実を知っている国民はどれだけいるのでしょう。
おそらく、各地で起こっている反対運動すら知らない国民が大半でしょう。
安易に工事を認めたことによって人々の生活が脅かされている事実をどれだけの人が理解しているのでしょうか。
静岡県が、川勝知事が安易に工事を認めなかったからこそ静岡県では水の問題も残土の問題も起こっていないのです。
一度工事を認めてしまえば後戻りはできなくなるのです。
環境を破壊し、人々の生活を脅かしてまでもリニアを開業させなければならない理由はあるのでしょうか。
立ち止まって考え直す時間が必要です。

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