日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

トイレ無き原発に固執する無能さが未来永劫に矛盾を維持し続ける

2021年05月20日 07時31分24秒 | 政治
 「2011年の東京電力福島第一原発事故を受け、政府の要請で停止した中部電力浜岡原発の維持に、中電が支出した費用が10年間で総額1兆円を超えたことが分かった。津波対策費や維持管理のための修繕費などがかさんだ。14日で停止から10年となるが、再稼働の見通しは立っていない」(2021/5/14東京新聞)
 すっかり世の中から忘れ去られていた中部電力浜岡原子力発電所。3.11震災直後には駿河湾沖を震源とする東南海地震など巨大地震の可能性が想定されるなどこの発電所の存続が大いに論争の的になったものである。
 熱しやすく冷めやすい国民性がいつの間にかこれを忘れ、政府の隠ぺい政策の陰に隠れ、見栄えのしない防潮塀の建設工事などで人々の俎上に上らなくなって今日まで来たものである。この10年間に当の電力会社が投下した資本が巨額の1兆円を超えたという驚愕の事実がこれである。
 当の電力会社の経営方針もさりながら、政府をあげて原子力政策に固執する圧力、これこそが10年間1ワットたりとも発電しない発電所にただ黙々と工事を施させ、投資し続けるのだが、その原資はどこから得られるのであろうか?
このカラクリこそ「総括原価方式」という魔法の錬金術である。世界で最も高いと言われる日本の電気料金は電気事業法が定める「総括原価方式」で計算され、発・送・変電設備費・電力販売費・人件費等々、要したすべての経費を「総括原価」としてコストに反映させ、その上に一定の利潤(3~5%)を上乗せした金額が、電気の販売収入と等しくなるように電気料金を決める。つまり電力会社の経営はすべての費用を「総括原価」として計上できるため、コストカット努力の必要性が全く起こらない。このことがこのような冗漫な経営がおこる原因である。
 「原発は停止中も核燃料を冷やし続けるため、制御用電気系統などのシステムの修繕が必要になる。また、下請け業者は各種点検業務などを行っており、これらの費用もかかる。 中電は、地震や津波対策として、約2000億円を投じて海抜22メートルの防潮堤を建設したほか、非常用電源の追加や各種機器の耐震性向上などに取り組んだ。これらの支出は長年かけて分割し、毎年度、減価償却費として計上する。10年間に支出した減価償却費は、1800億円超に上った」(同上)
 いまや世界の先進国のすべてが脱炭素政策を進めながらもなお原発事業からも撤退しようとしている。その動機付けは福島第一原発苛酷事故という反面教師の教えだった。その「教訓」の震源地日本がかたくなに原発に固執する。脱炭素政策は技術革新の揺りかごであり金鉱であるにも関わらずこれを避ける。
 今日、カラスの鳴かない日は有っても地震のない日は無い程に日本列島が揺すぶられている。そこに10万年の安定地殻を保証する地層は存在しない。使用済み核燃料の廃棄場所を持たないトイレ無き原発に固執する無能が永劫に上記矛盾を維持し続ける。安倍・菅政権の後、日本はペンペン草も生えない荒蕪地になることは間違い無いだろう。

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