日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

大阪「夢洲」に立ち上がる蜃気楼は何だろう?

2023年07月20日 07時34分16秒 | 政治
 「2025年大阪・関西万博に出展する海外パビリオンの建設準備が遅れている問題を受け、万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)が初めて開いた13日の記者会見。石毛博行事務総長は年末までに着工すれば開幕には間に合うとの認識を示したものの、具体的な道筋は示せず、万博協会の対応の鈍さが浮き彫りになった」(2023/07/14読売新聞)
 今やいささかアナクロの万国博覧会だが,その「博覧会」というものが先進国家で行われていて夢のような未来を見せてくれるものだ,と日本人が初めて聞かされ,そこへ東洋の発展途上国として参加し出品してみると,文明国の人々には異次元世界の珍品を見る珍妙さがヒットしてそれなりの成果をあげたことになっている。それが1867年第2回パリ万国博覧会だった。といってもそこに参加し,観て聴いて肝を冷やし,西欧文明に驚いたのは江戸幕府派遣の若いお役人たちばかり。その中のごく下っ端随行員の中に,来年いよいよ1万円札に登場の澁澤榮一が入っていた。
 ついでに話せば,この年が江戸幕府の最後の年となり,幕府からは将軍徳川慶喜の弟弱冠15歳の少年徳川昭武が団長とて参加している。はるかなる歴史と伝統の万博だが,日本にこれがやってきたのは1970年のこと,その名も「大阪万国博覧会」。「人類の進歩と調和」をテーマに世界77か国が参加して、敗戦で廃墟となった日本が艱難辛苦に耐えながら平和と経済復興を成し遂げ,ついにアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となった姿を見せようと企画し開催した。一連の万国博覧会物語はこれで一巻の終わりとし,このときの日本と同じように艱難辛苦から経済的自立を遂げたというような,言うところのグローバルサウスの国々がこれを開催すればよい。それを何を考えたか?,否っ!ちっとも考えないものだから,昔取った杵柄,再び柳の下の泥鰌を捕まえようとてか2025年大阪にこれを招致してしまった。そしていまその計画の遂行がままならず四苦八苦しているというのが冒頭の新聞記事。先進各国のパビリオンの建設に各国が着手しない。それをビジネスチャンスとする日本の業界もさまざまな問題があって快調というわけにいかない。北の国ではドンパチやっていて,お祭りでもない。第一当の日本が間もなく世界第三位の経済大国の地位をインドやその他グローバルサウスに明け渡す日も近いとの見通しはもはや祭りをやるにはふさわしくない。2025大阪万博は,あの大成功70年大阪万博の分子を分母に持ってきて掛け合わせて1になるような惨憺たる結果を招くのではないかと想定しているのだが・・・。
 第一,ここに作られた万博パビリオンは,祭りが終われば壊されてかわって賭博場になるという。地面を掘れば悪い花咲か爺さんの掘った穴のように魑魅魍魎が埋められているともいう近代消費社会のゴミ捨て場=大阪「夢洲」。魑魅魍魎の蜃気楼が立ち上がるだけで終わる運命に有るのではないだろうか。その責任は誰が取る?
 
 

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