日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

能登半島地震災害は人災だった?

2024年01月26日 07時33分15秒 | 政治
 「最大震度7を観測したマグニチュード(M)7・6の能登半島地震で被災した石川県が、東日本大震災後に津波被害の想定を見直したにもかかわらず、地震被害の想定は四半世紀前から見直しておらず、地震と津波で想定に齟齬が生じていた。地震の被害が過小に見積もられており、防災体制に影響した可能性がある」(2024/01/21毎日新聞)
この記事によれば、2007年にあったM6.9という大きな能登半島地震を機に、国の産業技術総合研究所(産総研)の調査によって能登半島沖にM7・6級の活断層があることが分かり、石川県としてもこれによる津波被害について意識し「F42」と名付けられた巨大断層による最大規模の津波を想定していたという。しかし、この意識はあくまでも「津波」に向かって注視されただけで、この断層のづれによってか、他の原因によってかは問わずこの断層が同時に動いて巨大地震になる可能性は否定できない。しかしここに意識が向かうことの無いまま、今次の大災害・大被害に繋がってしまったのではないかという。
たしかに、元日の能登半島地震によって最高8メートルにも及ぶ津波が襲来していること、半島西側の沿岸は大きな隆起が長距離にわたって発生しており、産総研によるM7・6級の地震の発生予測は、その被害状況と鮮やかに一致している。その見識は、地域防災計画として大いに参照すべきであったのだろう。
しかしながら、石川県は「東日本大震災を経ても地震想定についてはこれを見直さず、1997年にまとめた能登半島北方沖の海底活断層(M7・0)を使い続けていた。この想定による被害は<ごく局地的な災害で、災害度は低い>と評価され、建物全壊は120棟、死者7人、避難者は約2800人と試算していた。これは今回の能登半島地震の被害(住宅被害2万2000棟超、死者230人超、避難者1万7000人超)に比べて大幅に小さい」(2024/01/21毎日新聞)。
これは「赤」信号とまでは言えないかもしれないが「黄」信号ではあったはずだ。しかるに、この新聞記事によると、石川県の地域防災計画を作る県防災会議・震災対策部会は、国が東日本大震災後全国をエリアごとに区切った活断層調査結果を待っていたという。鳴り物入りの国の計画がかえって対策立案を遅らせてしまったのである。
折角知り得ていた知見を県幹部が見落としたばかりに大勢の尊い人命を失い、生き残った人々を塗炭の苦しみに陥れたこと、悔やんでもくやみきれない失態だったと、石川県馳知事は責任を深く感じなければならないのではないか? 「震災」の後ろに「人災」が寄り添っている。
 


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