この冬は、列島の日本海側で大雪になっており、新潟県三条市では、11日夕方、JR信越線で新潟発長岡行きの普通電車が積雪に阻まれ運転できなくなり駅の途中で立ち往生した。
乗っていた通勤・通学者などおよそ430人は、線路わきの雪が深く暗闇の吹雪の中を歩いての避難は危険だとして電車から降りることも出来なくなった。中には満員の車内で体調を崩すなどして、深夜や明け方になって深い雪の中を駆け付けた消防関係者や家族らに救助、保護された人もいた。
今回の雪は、11日午後から新潟など北陸を中心に激しく降り続いた大雪に、線路の除雪が間に合わない中で、電車の先頭車両前部に取り付けられている排雪板で除雪しながら運転を続けていた車体の下や車輪に多量の雪がつまり身動きできなくなったという。
周辺の駅などから駅員も駆け付けてスコップで除雪作業が始まったものの、朝になってようやく除雪車が到着して本格的な除雪が行われた。多くの乗客が、電車が動き出すまでの15時間半にわたって車内に閉じ込められる格好になった。
●乗客の安全安心と情報の共有
‟電車内の閉じ込め”について、JR東日本新潟支社は、電車内は電気も暖房もあり、トイレも使える。乗客は吹雪の中を避難するよりも車内に待機してもらうほうが安全だと判断したという。
今回の大雪では各地で停電も起きており、停電への対応が考えられていたかは疑問だ。
テレビの中で、この土日のセンター試験を前にした高校生を持つ親が、「何が起きたのかJRに電話で訊ねても何も教えてもらえなかった」と不安を訴えていた。乗客からは「除雪をもっと早くできなかったのか。段取りを教えてほしかった」と情報の共有を求める声が聞かれた。
●早めの情報収集で早め早めの対策、対応を
JRの対応の遅れについて、菅義偉官房長官が「積雪期が今後も続く中、長時間の駅間停止等のトラブルが生じないように」と12日に談話を発表した。国土交通省も解明に当たり報告を求めている。
この冬は、降雪も早く、ラニーニャ現象の影響で早くから大雪を心配する専門家の声も出ていた。
降雪時における安全運行の確認と除雪車の出動等の迅速な対応。今回のような事故発生時に乗客を安全に避難させる救援列車の出動等について、鉄道交通の安全への信頼を取り戻すためにも、早め早めの対策、対応を忘れてほしくない。
copyright reserved©地域減災システム研究所2018
乗っていた通勤・通学者などおよそ430人は、線路わきの雪が深く暗闇の吹雪の中を歩いての避難は危険だとして電車から降りることも出来なくなった。中には満員の車内で体調を崩すなどして、深夜や明け方になって深い雪の中を駆け付けた消防関係者や家族らに救助、保護された人もいた。
今回の雪は、11日午後から新潟など北陸を中心に激しく降り続いた大雪に、線路の除雪が間に合わない中で、電車の先頭車両前部に取り付けられている排雪板で除雪しながら運転を続けていた車体の下や車輪に多量の雪がつまり身動きできなくなったという。
周辺の駅などから駅員も駆け付けてスコップで除雪作業が始まったものの、朝になってようやく除雪車が到着して本格的な除雪が行われた。多くの乗客が、電車が動き出すまでの15時間半にわたって車内に閉じ込められる格好になった。
●乗客の安全安心と情報の共有
‟電車内の閉じ込め”について、JR東日本新潟支社は、電車内は電気も暖房もあり、トイレも使える。乗客は吹雪の中を避難するよりも車内に待機してもらうほうが安全だと判断したという。
今回の大雪では各地で停電も起きており、停電への対応が考えられていたかは疑問だ。
テレビの中で、この土日のセンター試験を前にした高校生を持つ親が、「何が起きたのかJRに電話で訊ねても何も教えてもらえなかった」と不安を訴えていた。乗客からは「除雪をもっと早くできなかったのか。段取りを教えてほしかった」と情報の共有を求める声が聞かれた。
●早めの情報収集で早め早めの対策、対応を
JRの対応の遅れについて、菅義偉官房長官が「積雪期が今後も続く中、長時間の駅間停止等のトラブルが生じないように」と12日に談話を発表した。国土交通省も解明に当たり報告を求めている。
この冬は、降雪も早く、ラニーニャ現象の影響で早くから大雪を心配する専門家の声も出ていた。
降雪時における安全運行の確認と除雪車の出動等の迅速な対応。今回のような事故発生時に乗客を安全に避難させる救援列車の出動等について、鉄道交通の安全への信頼を取り戻すためにも、早め早めの対策、対応を忘れてほしくない。
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