地震、台風、火事、交通事故、…  突然にやって来る災害にどう備えるのか

日々の暮らしの中で、経験と知恵を生かして
自分のいのちは自分で守ろう!

巨大地震津波から生き残るために何ができるのか

2012-09-14 | 地震防災談話室
去年、東日本大震災を引き起こした大津波に、地震津波の専門家や防災関係者らから、「想定外」の言葉を聞くたびにその無責任ぶりに腹立たしかった。
有識者による国の南海トラフ巨大地震モデル検討会などが被害想定(第二次報告)を公表、“南海トラフ巨大地震津波で 死者最大32万人想定”の見出しは衝撃的だった。と同時に、次は「想定外」に替わっての「最悪の事態を想定していたのに…」との言い訳はやめてほしいと思った。
報告は、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震津波を想定したもので、最悪の被害想定の犠牲者32万人は、早めの避難や建物の耐震化により逃げ遅れを防ぐなどで大幅に軽減させることができるという。
報告はインターネットで詳しく見ることができる。防災関係者をはじめ、南海トラフから離れていて直接関係ないと思っている人も地震津波災害についての理解を深めて減災に役立てるために一読をすすめる。

 ●減災のための具体的な津波対策を
最大クラスの高い津波被害想定に、「高い避難ビルやタワー、高い山などに避難するしか助かる方法はない」「冷静に科学的な現実として受け止めて、やれる限りのことをしなければ…」と沿岸自治体の防災責任者も戸惑いを隠せない。
中川正春防災相は「(被害想定が)厳しいからといってあきらめるということではなく、防災計画を見直して、犠牲者を限りなくゼロにするため国をあげてやっていく」と会見で述べていたが、国の具体的な施策は見えてこない。

明治、昭和三陸地震津波に次いで去年の大津波で多くの犠牲者を出した東北太平洋沿岸では震災から一年半がすぎたというのに、津波対策としての高台移転は進んでいない。
地元から出された復興計画も思うように予算がつかず遅れている。一方で、政局にかまけている政治の陰で、増税などで積み上げた復興予算約19兆円のうちの2兆円超が復興とは直接関係のない被災地以外などで使われているという (9/9 NHKスペシャル)。あきれて情けない。
国は、被災地に、雇用や医療などを含めた住民の生活にかかわりのあるあらゆるジャンルの専門家を動員して、地域と一体となって、大津波にも耐え人々が安心して暮らせる「防災モデルタウン」を作ることを提案する。市街地の近くにすぐに避難できる高台のある地域、平野部で避難できる場所のない地域、湾奥や岬など高い津波が予想される地域などそれぞれの地域環境に合わせてのモデルタウン作りが必要だ。
今度の大震災では津波による塩水に浸かった車が自然発火し避難所の火災を引き起こすなど新たな課題も見つかっており、これらを含めた「防災モデルタウン」で実施される津波対策は、高い津波が想定される南海トラフ沿いなどの具体的な津波対策の参考として役立つものと思う。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする