地震、台風、火事、交通事故、…  突然にやって来る災害にどう備えるのか

日々の暮らしの中で、経験と知恵を生かして
自分のいのちは自分で守ろう!

減災事始め番外編 こどもたちが横断歩道を安全に渡るために

2014-06-29 | 地震防災談話室
郊外の信号機のないある駅前交差点で、両手に買い物袋を提げ幼い子どもを抱っこ紐で抱いた女性が横断歩道を渡ろうとしたところ、左折してきたバスが横断歩道の手前で止まった。女性はバスに向かっておじぎをして渡り終わる手前でもう一度頭を下げていた。珍しい光景ではないかもしれないが、運転者と歩行者のなにげないちょっとした気遣いがあるだけで歩行者の交通事故は防げるのではないかと思った。
筆者も車を運転するが、横断歩道の手前をフルスピードで走ってきた自転車がいきなり飛び出してきてひやりとしたことがある。車が止まっても渡らない人、スマホをいじりながらわき目も振らずにゆっくり横断する若い人。不自由な足を懸命に動かして渡る杖をついたお年寄り。運転者の顔を見てわたる小学生。
運転者の顔を見ていて車が止まると安心して渡る歩行者には運転者もどうぞという気になる。

 ●こどもたちに“アイコンタクトの大切さ”を繰り返し教えて
小学校では、新学期が始まると新入児童のために婦警さんたちがきて交通安全教室が開かれる。グラウンドにかかれた横断歩道を手を挙げて渡るこどもたちは緊張の連続だ。
登下校時には、こどもたちは、横断歩道の手前で上級生と一緒に「右見て、左見て、もう一度右を見て」車が来ないか安全を確認して渡っている。しかし、しばらくすると青信号だけを見て飛び出す子、信号機のない交差点でも友達とふざけたり話しながら安全を確認しないで横断するこどもが増えてくる。

警察では、こどもたちに横断歩道をわたるときは走ってくる車の運転者の目を見て安全を確認してから横断するようにアイコンタクトを指導しているというが、こどもたちがアイコンタクトを身につけるまでには時間が掛かると思う。
上級生や大人たちが横断歩道の安全な渡り方の模範を示すことも必要だが、交通安全教室のあと、学校や家庭で先生や家族も一緒になってアイコンタクトの復習を、機会を捉えて繰り返してほしい。
横断歩道での安全な渡り方を身につけることは、交通事故の防止にとどまらず、地震などの災害が起きたときに「自分のいのちは自分で守る」という危機意識の醸成に役立つのではないかと思う。


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減災事始め 急がれる小・中学校などの耐震化安全対策

2014-06-14 | 地震防災談話室
文部科学省によると、全国の公立小・中学校の校舎や体育館の92.5%(2014年4月1日現在)で耐震化工事が終わったものの、耐震化未実施の建物は8900棟余りあり、このうち1250棟余りは、震度6強以上の地震が起きると倒壊する恐れがあるという。

北京五輪の年に起きた四川大地震(2008年、M8)で、中国各地で小・中学校の校舎が倒壊し多くの子どもたちが生き埋めになり犠牲になったことを覚えている方は多いと思う。
わが国では、新潟県中越沖地震(2007年、M6.8)で、避難所になっていた柏崎市の小学校体育館の床が抜ける恐れが出て、避難した人たちが別の避難所に移る騒ぎが起きている。また、東日本大震災では、避難所が津波に襲われて避難してきた人たちが亡くなっており、地震の揺れで体育館のつり天井が落下するなどの被害が相次いだ。

小・中学校の校舎や体育館は、子どもたちにとって一番安全で安心できる学び舎のはずで、地震などの災害発生時には地域住民のいのちを守る砦でもある。
小・中学校など人々のいのちを守る施設の耐震化やつり天井の落下防止などの安全対策は待ったなしだ。
国民のいのちと暮らしを守る政治家諸氏と行政関係者には喫緊の課題としてその対策に早急に取り組んでほしい。

 ●災害に備えて 避難所まで家族で安全チェックの散歩を
東京都心の中央区や港区では小学校などの避難所が足りず、地域住民だけでも収容しきれずに自分たちのマンションを避難所として活用するところも出ている。郊外でも地域の住民全員を収容できない避難所が多いと聞いている。

地震が起きて周辺で火災が発生したという想定で、自宅から指定避難所までたどり着けるかどうか、家族で出かけてみてはどうだろう。狭い道は建物やブロック塀、自動販売機が倒れてきて通路をふさぐかもしれない。遠回りをして広い安全な道路に出ても、地震の揺れに驚いて自動車が歩道に飛び込んできたり、沿道のビルから割れたガラスが降ってきたり、看板や電線が切れて落ちてくるかもしれない。川や水路があれば小さな橋でも壊れていれば危険で渡れない。普段に通いなれた安全な道でも、地震や大雨などの災害が起きると危険な道路に変わってしまう。

東日本大震災のときには、携帯電話などが通じなくなり家族の安否確認や職場への連絡ができなくなり、やっと見つけた公衆電話は長蛇の列で困った方が多かったと思う。小・中学校などの避難所には、災害時に使える「特設公衆電話」の設置が進められており確認しておくとよい。
避難所には、水や食料が備蓄されているが、地域住民全員に行き渡る量は確保されていない。このほか、トイレの問題や犬などペットは連れて行けないなどの約束事を知っておきたい。

街中では地域住民ではない通勤・通学者などのいわゆる通過市民の避難所の利用などの問題もまだ残されたままだ。
地震などの災害発生時に生き残るための“自助・共助”の必要性が求められて久しいが、地域の避難所の活用について、(行政担当者も交えて)、地域で、家族で話し合うことが必要だと思う。


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