地震、台風、火事、交通事故、…  突然にやって来る災害にどう備えるのか

日々の暮らしの中で、経験と知恵を生かして
自分のいのちは自分で守ろう!

感染リスクが続く中で コロナを封じ込める新しい多角的防災対策を

2020-05-25 | 地震防災談話室
新型コロナウイルスの新規感染者の減少で「緊急事態宣言」が25日、北海道と首都圏を含む全国で解除された。
わが国では、コロナの感染リスクが続く中で、戸惑いながらの社会経済活動が段階的に再開され、国民は、3密(密閉、密集、密接)による感染リスクをかかえながら日々の新しい生活様式を探ることになる。

パンデミック(世界的大流行)によるコロナ感染者は540万人を超え、34万人余りの方が亡くなっている。(5/25) 
コロナの治療薬もワクチンの開発も遅れていて間に合わず、新型コロナウイルス流行の終息はまだ見えてこない。
感染拡大がいったんおさまったかに見えたお隣の中国や韓国でも新たな感染者が出ており、油断大敵、わが国では気の緩みからのさらなる感染拡大を招くことだけは避けたい。

コロナで休校していた子どもたちの学校は、分散登校やオンライン教育を取り入れるなど工夫を凝らして始まっているものの、長引いた自宅待機で体力が衰えたり、学校や友達になじめない子もいて、急がず時間をかけての見守りと指導が必要だ。

 ● 地震や台風による風水害などが起きたら何処に避難したらよいのか
北海道から沖縄にかけてM5~4クラスの地震が頻発していて、長野県中部や岐阜県飛騨地方で連続して地震が起きている。台風もすでに発生し、これから梅雨のシーズンに入り、温暖化の影響で豪雨や高潮の恐れも出ている。

災害の発生で住民が狭い避難所に殺到するとコロナ感染リスクが高くなる。
政府は、避難所が過密状態になることを防ぐため、ホテルなど可能な限り多くの避難所を開設するとともに、感染防止のための避難所の衛生環境の整備にあたるよう自治体にガイドラインを示している。住民に対しても、マイカーの活用や親戚、知人宅などへの避難を事前に検討しておくよう呼び掛けている。

 ● 急がれる多目的病院船導入と自転車道を兼ねた高架式広域避難路の設置
災害時の多目的支援の病院船の導入についての要請が、超党派による推進議員連盟から出され、政府が検討を始めているという。病院船は、コロナ感染者の隔離、治療にとどまらず、地震・津波、高潮などの風水害による大規模災害発生時には、海から直行し、ホバークラフトの活用などで被災者の救助、避難支援にあたれる。
平時には、母船方式による離島や中小諸島への巡回診療活動により多くの島民の健康と安全を守ることができる。

コロナの感染リスクを抱えての電車通勤を避けて自転車を利用する通勤者が増えている。自転車通勤者が安心して安全に走行できる高架式の自転車専用道路を主要道路や鉄道沿線伝いに構築できないか。
高架式自転車専用道路は、災害時の避難路として非常用飲料水の給水管やソーラー発電による電源も確保され、特に、東京、大阪、名古屋などのゼロメートル地帯では高潮など大規模災害発生時には地域住民の身近な安全安心の広域避難路として活用できる。

新型コロナウイルスは、わが国の危機管理対応の遅れを突いて襲い掛かり、無防備な都市部を中心に感染を広げたといえる。
日常化したウイルスの感染リスクにお構いなくやってくる地震・津波や台風などの風水害から国民の命をどのようにして守ったらよいのか。
コロナウイルスを封じ込める多角的防災対策は、政治に、私たち自身に課せられた喫緊の課題だと思う。

         copyright reserved©地域減災システム研究所2020



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