地震、台風、火事、交通事故、…  突然にやって来る災害にどう備えるのか

日々の暮らしの中で、経験と知恵を生かして
自分のいのちは自分で守ろう!

津波襲来! 非常口から流れ込む水に阻まれ地下街からの脱出は…

2012-02-29 | 地震防災談話室
去年の夏に友人たちと横浜駅西口で待ち合わせたとき、早めについたので、海岸寄りのみなとみらい地区の避難場所まで行ってみようと、駅前の交番で道を尋ねたところ、東北の津波のあと、地震が起きると津波で浸水の恐れがあるとしてなくなったとの返事。
このことを友人たちに話したところ、いずれも横浜居住なのに聞いていないという。横浜駅が周囲を川や運河で囲まれ津波浸水予測区域にあり、駅のコンコースのある地下道が標高0メートルに近く、2004年の台風で川の増水により駅南側西口で浸水騒ぎがあったことを知らないものもいた。防災・減災のための災害安全情報の共有が話題になった。

 ●津波被害予測見直しで新たに避難訓練
東日本大震災を契機に津波被害予測の見直しを行っていた神奈川県は昨年11月に新たな津波浸水予測図(素案)を公表した。これをうけて横浜市は最大の津波(波高)を4.9メートルと想定しハザードマップ作りを急ぐとともに市営地下鉄などの津波避難訓練を行っており、あす(3月1日)も横浜駅周辺で津波の避難誘導訓練などが予定されているという。
横浜駅は、JRと京急の5つのホームと線路が地上に顔を出している半地下駅で、離れた相鉄の駅と市営地下鉄と東急の地下駅がコンコースの地下道で結ばれ、デパートなどの商業施設の地下街が広がっている。乗客や買い物客など多くの人が集まる集客スポットだけに浸水予測の変更や避難に必要な時間、避難ルートなどの周知が急がれる。
 
 ●地下施設から避難する別な非常口の確保を
筆者は、久しぶりに横浜駅地下街を訪れ、JR東日本の担当者から津波対策について話を聞いた。4メートル超の最大波高に襲われると浸水したホームからの地下街への流水は避けられないという。
地下街を歩いていて気づいたことは災害時に地下から地上に出る非常階段のほとんどが津波の水が流れ込む恐れがあり、水が流れ込んできたら昇ることもできなくなる。ケイタイを手にしたまま助けを求めることもできないまま水没するのかなと思った。あちこち歩き回って上に昇る階段を探したが見つからなかった。
6駅が水没するという横浜市営地下鉄の津波避難訓練で、乗客を最寄り駅まで避難させることは厳しく、別の避難路の確保が必要だとニュースに出ていたが、地下街から脱出するための水の浸入のない非常口の確保とその利用者への周知が必要だと思う。

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首都圏の帰宅困難者対策 最悪の事態を想定しての訓練を

2012-02-11 | 地震防災談話室
先月下旬、「首都直下型M7級 4年以内70%(東大地震研試算)」の見出しが新聞各紙に出ていて驚いたが、そういえば東海地震の騒ぎのときも同じようなことがあったなと思い出した。用心するに越したことはない。
今月3日の東京、池袋、新宿各駅周辺で行われた帰宅困難者対策の大規模訓練の模様をテレビ各局とも詳しく伝えていた。帰宅困難者の避難誘導訓練は、JR山手線など都心の主要駅周辺では地域の滞留者対策協議会などが中心になってしばしば行われており、訓練の模様がメディアに詳しく取り上げられたのは珍しい。通勤・通学者や買い物客など外出者への地震防災への啓発につながり歓迎だ。
防災機関では、大地震などが発生した時、混乱を防ぐために「人々にむやみに移動を始めないこと」を呼びかけているが、今度の訓練ではその具体策として「企業等における従業員等の一斉帰宅の抑制」「大規模集客施設や駅での利用者の保護」「帰宅困難者の一時滞在施設への誘導」「通信機器等による正確な情報の提供」についての検証が狙いという。
交通機関がストップすると外出者は身動きできなくなる。一時滞在できる公共施設や学校、民間事業所などに水・食料、寝具等の備蓄ができているのかどうか、大規模集客施設や駅での利用者の安全を確保するための具体的な支援策がどうなっているのかなど、新聞やテレビで引き続き取り上げてほしい。

 ●ライフラインがすべてストップ
1923年の関東大震災の後、大きな地震災害を免れてきた首都圏は、戦後の高度成長の波に乗り人口の増加と共に、交通網が整備され高層化が進み地下施設の拡張には目を見張るものがある。しかし、先の東日本大震災などで、交通機関が止まっただけで都心の幹線道路が人や車であふれ大混乱になるなど都市機能の脆弱性が露呈しており、直下で大地震が発生したときの被害は想像もつかない。
そこで、帰宅困難者対策として、地震で建物などが崩壊し火災も発生、死傷者が出ている中で、電気、ガス、水道などのライフラインがすべて止まり、電話やケイタイなど通信機能もマヒ状態で、また頼みのラジオやテレビも一時電波が止まったという最悪事態を想定しての訓練をしてみてはどうかと思う。

 ●外出者も図上訓練に参加へ
発災直後の混乱の中では帰宅困難者に対する行政や地域の防災組織の人たちによる避難場所等への避難誘導などの支援には限界があると思う。帰宅困難者たちは地域の人たちと互いに協力して生き残り策を図るしかない。最悪事態を想定しての訓練には、土地勘のない外出者も参加しての図上訓練(話し合い)は欠かせない。訓練を通じて、そこで何をどこまでできるのか、できないのかを確認し、協働活動の仕分けも必要で、自助・共助・公助の役割分担も自と決まってくる。

今度の大規模訓練では通信機器を通じての情報提供の訓練が行われたが、徒歩帰宅者へのきめ細かな沿線情報をどのように集めるのかが見えてこない。米海軍などの艦船による帰宅困難者の搬送も津波や破壊された石油タンクから油が漏れ海上火災が発生したときの安全確保など課題も多く、各項目に踏み込んでの具体的な対策が急がれると思う。

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