Le cheval noir

全然更新できてない…orz

すみよん観察記~8年越しの宿願・前編~

2009年11月01日 00時39分09秒 | other jockeys
スミヨンが日本へ来るというニュースを聞いた時の私の最初の感想は


「香港の誤植でしょ?まさかまさか、彼が日本に来るわけがない」だった。


彼はここ数年オフシーズンの間は日本ではなく香港で騎乗し、いくつものG1を手にする大成功を収めていた。
賞金は高いとはいえ、同じアジアの日本に鞍替えする必要はないんじゃないかと思っていた。

それに、私がニュースを信じなかった理由はもう一つあった。

それは、8年前に短期免許で来日した際の経験が彼にとっては悪夢以外の何物でもなかったという事を知っていたからだ。


当時、まだ若干19歳でG1勝ちもなかった彼は、今に比べると技術的にも精神的にも幼いところがあったのだと思う。

今でこそ彼の大得意とする「直線でのインからの馬群割り」も、その頃はまだ完成されてはいなかった。
そして言動も奔放だった(これに関しては今も同じかもしれないが…)。
それらに合わせ若さゆえの怖いもの知らずも手伝ってか、他の騎手達からの風当たりはかなりきつかったらしい。

そんな彼に止めを差したのはラティールに騎乗した阪急杯での降着、騎乗停止6日間という重い判決だった。

自業自得な部分もあると思うが、さぞ悔しい思いを、辛い思いをしたと思う。

その後は03年にWSJSに参加しただけで、05、06年にフランスのリーディングジョッキーになった時も、
来日のオファーに彼が首を縦に振ることは無かった。
苦々しい思い出しか残っていない国にわざわざ行く必要はないと彼が考えたとしてもおかしくは無いはずだ。


だから、再び来日する、短期免許を取得すると聞いて本当に驚いた。

何が狙いなのか?国際レースに騎乗馬が来るのか??
色々なことが頭を過ったが、肝心の答はスミヨン自身が答えてくれた。


「あれから世界各国で騎乗して、経験を積んだ。
他のフランスのジョッキーが日本で結果を出しているし、自分も試してみたいと思った。
前回来日した時と今とでは、違っていることを証明するしかない。」


ああ、なんだ、そういうことだったんだ。



フランスで、イギリスで、アイルランドで、アメリカで、そして香港で。

主要な競馬開催国のほとんどで彼は実績を残してきた。

でも、日本では苦い思い出意外は何も残せなかった。


だから彼は取り戻しに来たんだ。

8年前に失いかけたジョッキーとしての意地と誇りという落し物を。

確かめに来たんだ。

自分が世界のトップクラスにいるという確かな証を。



たった数行のインタビューだったけれど、
その数行に彼の強い想いを見たような気がした。



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中編、後編に続きます

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2 Comments

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こんにちは(*^-^)ノ (マーチ)
2009-11-01 13:21:16
お久しぶりです。

ブログのログインパスワード忘れてしまいました( ̄□ ̄;)!!

登録したメールアドレスも忘れました( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!


まぁ置いといて(笑)
スミヨンさん、初日からやってくれましたね(*^-^)b

やっぱりうまいですよねぇ…


うちの牧場にいる元地方のジョッキーだった先輩がスミヨンさんのことを

『スミヨシ』

と連呼していたので今やみんなスミヨシ住吉とまるで日本人のように呼ばれています┐(´ー`)┌
返信する
スミヨンスミヨシスミヨン (玄米茶)
2009-11-03 00:20:01
少なくともメールアドレスは
gooなら自分のID@mail.goo.ne.jpでいけるはずですよ~
頑張って更新して下さい(笑)

>「スミヨシ」
実はこれにはちゃんと元ネタがあるんですよ。
8年前の来日時に、実況の人が「スミヨシ」と読み間違えて連呼していたそうで…
おそらく先輩さんはそのことをご存知だったんじゃないかなぁと思います。

でも、先日の京都でもけっこう「スミヨシ」って言ってる人が多かったので(爆)
ただ単に皆同じ間違いをしていただけなのかもしれませんね^^;
「住吉」って全国的にメジャーな地名ですし。
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