蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

買賣書籍

2005年04月19日 05時40分08秒 | 本屋古本屋
「大理石紋色彩染色法」で黒っぽい本について触れたが、先週の土曜日、西神田の西秋書店の店先に恐ろしく黒っぽい冨山房昭和十二年発行の『芳賀矢一文集』が千円で出ていたので思わす買ってしまった。レジにもっていくと店の御主人がコンディションが悪い部分を示して、これでもいいですかと確認してきた。わたしとしてはまったく異存なかったので二つ返事で購入した。本の内容的価値のわりに低価格であるのはあきらかだったからだ。この西秋書店にしろ同族店である日本書房にしろ、あるいは嵩文荘にしろ、とにかく専門書店はちょっとでもコンディションの悪い本は大幅に値引きして店頭に晒してしまう。店内にある同じ品物と見比べれば確かにコンディションが悪いことは判るのだが、それでもこれほどまで値引きしなくてもよさそうに思うのは、わたしが素人だからだろう。それほどプロの目は厳しいということで、そこのところを知らない者が、所有している本を古本屋に引き取らせるときに買取値段に不満をおぼえるのだ。
しかし最近できたリサイクルショップ的古本屋とか、アルバイトの兄ちゃん姉ちゃんに買取を任せているような店はこの限りではない。そのような店は適正買取値などつけることができないだろうから、専門店に持っていけばそこそこの値段で引き取ってくれるものも二束三文で買い叩かれることとなる。それと最近テレビなどで神保町が取り上げられるものだから、なんでもかんでも神保町に持ってきていきなり店に入って「この本売りたいんですが」なんていってる人がいるけれども、まずどこも引き取ってはくれません。コミック本を一誠堂に持ち込むような間違いをみんな犯しているからです。近所に古本屋がればよろしいのだが、でも最近はめっきり減っているしむずかしいなあ。まあコミックや(岩波文庫以外の)文庫本ならBookOffでもなんでもかまわないけどね。
とかなんとか考えながら神保町の店を見て歩いが、今週はめぼしい品はなかった。古書会館で「がらくた展」が開かれていたけれども、そちらにも足を向けることなく帰宅してしまった。一般に四月は転勤などでいろいろな品が出てくる季節だといわれていたけれども、どうも最近は他の月とあまり代わり映えしなくなってきている。高円寺の都丸書店におもしろそうな本が出ていたけれども、これはどうも季節とは関係ないようだ。

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