蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

なくなった店

2006年02月08日 06時31分26秒 | 本屋古本屋
基本的にわたしは寒がりではない。むしろ寒いほうが頭が冴えてくる。もっともその冴えはかなり限定的ではあるのだけれども。そのわたしが今年の冬に負けてしまっている。とにかくそれほど寒い。しかし寒いからといって終日家の中に引き籠っているわけにもいかない。仕事をしなくてはならないからだ。汚い身体ではやる気も思考能力も低下してしまうので、朝には必ずシャワーを浴びる。湯船たっぷりのお湯に漬かるのに越したことはないのだがそんな時間はとてもない。というのもぎりぎりまで寝床の中でうずくまっているから。そして最後の決断をして飛び起きたあとは、だいたい十五分で身体を洗いの、歯を磨きの、髭を剃りのでこれはけっこう忙しい。くわえて朝食も取らねばならない。これを抜くと力がまったくでなくなってしまう。平日は毎日こんな調子で暮らしているが、そのぶん休日にはゆったりとお湯に漬かって身体と心を弛緩させることにしている。そしてそのあと何をするかって。きまってるじゃあないですか、神保町チェック!
もうとっくに無くなってしまったが、靖国通と専大通の交差点近くに日清堂という本屋があった。人文系の洋書を扱う店で古書も新刊書も置いてあったと記憶している。さほど広い店ではなかったけれども、置かれている書籍にはいつも目を見張ったものだ。西洋古典に関する専門書も充実していたように思う。この店の前にも廉価本のワゴンが置いてあって、そこでときおり漁った本が何冊かわたしの書架に収まっている。人には読めもしない外国語の本を買うなんてまことに愚かしい行為に思えるかもしれないが、なにも買った時点でその外国語が理解できなくてはならないなんて道理はない。購入してからじっくりと勉強すればよいのだ。それよりなにより、この本との出会いはもしかしたら二度とないかもしれない。そう考えれば書かれている外国語が理解できるかどうかなんてことは大した問題ではない。こんなノリでわたしは本を買っている。
ところで日清堂だが、神保町をはなれて松戸のほうに店を移したということをむかし聞いたのだが、今現在インターネットで検索しても該当する店がヒットしない。あるウェッブサイトには神保町時代の住所が掲載されているがこのような人を惑わす真似はぜひともやめてもらいたいものだ。それはそれとして、日清堂はいまでも営業しているのだろうか、あるいはもうとっくに廃業してしまったのだろうか。知っている人は知っているのだろうけれど、わたし自身はそのような情報に疎いものでまったくわからない。


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