忘憂之物

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             渋沢栄一

枝野経産相「100メートルを超える津波が来れば~>2012.4.10

2012年04月10日 | 過去記事
http://www.mbs.jp/news/jnn_4999971_zen.shtml
<枝野経産相「100メートルを超える津波が来れば~>

<枝野経済産業大臣は、仮に福島第一原発の事故を超える規模の地震や津波が起きた場合の対応が 不十分ではないかという声が出ていることについて、次のように弁明しました。

 「我々が今持っている知見では把握しきれない、予想を超えるもの(地震・津波)があり得る。 じゃ、どこまで対応するのかと。おそらく100メートルを超える津波が来れば、
日本中の原発が全部水かぶって全電源が止まる。それを全部想定するのか」(枝野幸男 経産相)

 また、枝野大臣は、政府が今後、大飯原発の再稼働を決めた後で、その判断がもとで大きな事故が起きた場合には政治が責任を負うという考えを示しましたが、具体的な責任の取り方には触れませんでした。(10日11:24)>




むかしむかしの沖縄県の八重山。白保と伊野田という村の間には野原(のばる)というがあった。ある日、そのの沖から女の歌声がする。の青年らが「なんだろう?」と海に出て網を投げると、ずしりと重いモノが引っ掛かる。やった!コレは大きな魚だぞ!と喜んで引き上げると、なんと、ソレは上半身が女性で下半身が魚だった。人魚だ。

コレは珍しい。持ち帰っての仲間に見せようぜ、となる。人魚はしくしく泣く。そして「どうかわたしを逃がしてください。代わりにとても大きな秘密を話しますから」とか言う。青年らはちょっと可哀そうになって、逃がしてやるかと相談する。よしわかった、ところで、その秘密とは?・・・明日の朝、津波がきます――――

青年らは急いでに戻る。の人らは、よっしゃわかった、と避難するが、白保の連中が信じない。翌朝、ぐらぐらっとなる。1771年4月24日午前8時頃、沖縄県石垣島南東沖40キロ地点、北緯24.0度、東経124.3度を震源とするマグネチュード7.4の地震が発生する。「八重山地震」だ。

地震の被害は大したことはない。石垣が崩れてお仕舞いだが、しばらくすると、海上に雷鳴のような轟音が響く。海を見れば「外の瀬まで潮干き」「水平線まで海はカラカラになっているように見えた」(大浜村での言い伝え)状態、海の底が見えている。津波前の海底異変、異常な引き潮だ。そして絶望的な規模で押し寄せてくるのが「明和の大津波」となる。


野原(のばる)の人々や「津波が来るぞ」を信じた人は高台に避難。信じなかった白保村は人口1574名のうち1546名が津波に飲まれた。実に人口の98.2%が浚われた。

「津波の高さ」の日本最大記録はコレになる。陸地を駆けのぼる津波の高さは28丈2尺、実に85.4メートルにもなる。この国の経済産業大臣はコレよりも高い、100メートルを超える津波が来ればどうするんだ?それもぜんぶ、想定しなきゃならないのか?とガラの悪いヤカラをやる。心配しなくても、そんなことになれば電源がどうの、原発がどうのと言っていられないレベルになる。

それに原発を再稼働するときの心配は自然災害だけではない。チェルノブイリもスリーマイル島も自然災害での事故ではない。運転中、あるいはテスト中の人的ミスが真因だ。また、当然ながら世の中に「100%安全」なモノなどない。すべからく、それ相応のリスクとデメリットが存在する。先の震災ではそれが顕著に表れた。だからヒステリックな反応もあるし、左巻きの連中は嵩にきて騒ぐ。しかし、もっと大きくて「直接的被害のあるリスク」を失念してはならない。今も昔も地震、津波で万人単位の人が死ぬ。原発があろうが無かろうが、波に飲まれて死ぬ人は関係ない。先ず、それからだ。

枝野は馬鹿な数字を出して威張ってないで、現実的に可能性のある危機を想定して対応していればいい。先の震災での津波、最高は岩手県大船渡市の23メートルになる。地震は待ってくれない。近く大きな地震が来る、という予測もある。急がねばならないのは原発じゃない。



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