【刻字の樹】ブログ

「遊び心」で、【作者の心根】を想い臨刻し、木肌の持つ美しいさを生かした作品の紹介させて頂いています。  

【 柚子の香/ほのぼの遠い/山波(山頭火)】

2018-08-19 08:08:23 | 刻字と俳句、詩

           秋刀魚は美味しい庶民の魚も、今年は不漁で残念ながら値が高い。

   この秋刀魚と味わう柚子が、もう収穫されだしたとか。

     

       山頭火句 の 柚子を謡った俳句の 作品

       

                         

    「 柚 子 の 香/ ほ の ぼ の 遠 い/ 山 波 」


    五年ほど前、松山に山頭火の終の住処「一草庵」を訪ね、全国に三百余とある

   句碑の写真集を見乍ら、ボランティアの方の接待を受けた。より庶民的な親しみ

   深い俳人であることを感じた約二時間でした。


    山頭火も一草庵から道後に出かけ、お湯に入って旅の疲れを癒したのでしょうか。

       朝 湯  こ ん こ ん /あ ふ る る ま ん な か の/ 私

    

              


【山光澄我心】

2018-08-01 14:45:23 | 刻字と俳句、詩

        山 光   我 心 を 澄 ま し む

       美しい山の色は、よく人の心を清々しく澄ませる。

       旅の好きな人、山の好きな、特に夏山の好きな人には実感するこの言葉

           

        一蝶に / 雪嶺の瑠璃 / 流れけり  ( 川端茅舎句 )



【 蝉 (高村光太郎)】

2018-07-22 08:04:47 | 刻字と俳句、詩

      朝起きると、もう蝉の声がやかましい季節となりました。

          乱れ飛び/ 時を惜しむや/ 朝の蝉  (拙句)

 

      高村光太郎の詩に、油蝉の絵を添えた作品です。

          〖 うつくしきもの みつ 〗( 油蝉 添絵 )

                              

           (油蝉は、彫刻家としても有名な高村光太郎の木彫り「油蝉」)

         

            天上にひヾき 光 とよもす

            /夏の日の うたのうたいて

             /さびしき 小蝉

 

        高村光太郎の書は著名な彫刻と同じく、その筆跡には鋭さと

       力強さが見られると云う。(日本の名書より)

       ぜひ彫りたい思った、主な理由です。

  

        光太郎の「道程」は、末尾七行がよく知られていますが、すぐ前の

       数行をここに上げます。 

         「 道 程 」

          ああ、人間の道程は遠い

          そして、其の大道はない

          自然の子供等が 全身の力で拓いて行かなければならないのだ

          歩け、歩け

          どんなものが出てきても 乗り越して歩け

          この光り輝く風景の中に 踏み込んでゆけ

 

         「  僕の前に道はない

           僕の後ろに道は出来る

            ああ、自然よ

            僕を一人立ちにさせた広大な父よ

            僕から目を離さないで守る事をせよ

             この遠い 道程の為

             この遠い 道程のため 」         

    

 

 


【鈴蘭の一輪づつに風わたり(六輔句)】

2018-07-15 14:51:32 | 刻字と俳句、詩

     初夏の花、「すずらん」を謡った永六輔さんの作られた俳句   

    

          別に、下記の秀句がある。

       ずっしりと/ 水の重さの/ 梨をむく

       遠まわり/ して生きてきて/ 小春かな


【 杏 (莫山書)】

2018-07-13 10:18:58 | 刻字と俳句、詩

   書道家 榊莫山 の 石刻書 の 臨刻

          【 杏 】

   


【 動く光は・・(草野心平)】

2018-07-02 12:11:10 | 刻字と俳句、詩

    草野心平 の 詩

      動く光は ほたるさん

       うごかないのは お星さん

    

     詩集「 蛙のうた 」・・・『 聾のるりる 』

      ひるまの風は

         どこいった

         どこいった

        みんな木の中 ねてゐます

      うごく光は ほたるさん

        動かないのは おほしさん


【 刻字 ・・・ 「春夜」 】

2018-06-25 19:17:27 | 刻字と俳句、詩

  蘇軾の有名な漢詩 ・・「春夜」   

 
  春宵一刻 値千金 / 花有清香 月有陰 /

    歌管楼台 聲細々 / 鞦遷(ブランコ)院落 夜沈々

     


【刻字‥「秋宿驛館」 (橘直幹)】

2018-06-25 18:53:35 | 刻字と俳句、詩

   「秋宿驛館」 ・・・ 橘直幹       

  岸 柳(がんりゅう)の秋風 (しゅうふう)/ 遠 塞(えんさい)の 情

  

   


【 一期一会 】

2018-06-16 07:59:30 | 刻字と俳句、詩

        一 期 一 会 

        

   先日、弓道部OB会に併せ、51年ぶりに同期7名が集まった。

  9名の同期全員が元気であり、まだ職場を持ち現役で活躍の者もいる。

   しばらく話に、名前と顔が合い口調にも懐かしさを感じた。

      梓弓/ 引きて静かに/ 淑気立つ

  「 友達と梅干は  古いほどよい 」 

  宇多喜代子さんの言葉だが、本当に古き良き友を得たと感じる同窓会

  であった。  

   〔追記〕  

   我がさぬき市の春を詠った、毎日新聞投稿句の一つ

     『 若嫁の/ 里へ鰆の/ 押鮨を 』


【 杏 (莫山書) 】

2018-06-05 10:11:30 | 刻字と俳句、詩

     書道家で知られる榊莫山の書「杏」

    石彫りの「杏」を欅板の刻字として彫った作品に、酒を愛好した莫山の

    「花アルトキハ花二酔ヒ」を添えたもの。

         

 

            「野の書」の石工の技に凄みを感じて、とうとう石に彫りたくなり、

            石を探し求めたと云う。

            そして思う石を大阪湾の岬海岸で見つけ、この「杏」を彫ったとか。

            石の彫りの深さを逆に凸に代えて、彫った刻字作品です。