屠蘇のこと

2006-01-01 14:44:18 | Weblog
明けましておめでとうございます。

大昔、子供時代なら元日はずらりとお膳を並べて、先ず屠蘇を飲むことからすべてが始まった。
これは日本(いや世界)の酒がらみの慣習に照らしてみて誇るべき伝統であった、と言えよう。正月だけは子供でも飲まされるのである。もちろん、屠蘇など大嫌いだったが、そのことと正月の儀式に参加しているのだ、という感覚とは違う。そのことは子供ながら分っていた。
その慣習もなし崩しに廃れて、朝はまず雑煮だけをバクバク食って、夜にビールという準屠蘇(?)で正月を祝う日々が続いた。今では胃酸過多のために酒そのものが飲めなくなってしまった。屠蘇、とは私にとってはすでに廃語である。

屠蘇、という奇妙な表現は、「蘇」という悪い鬼を屠(ほう)る、ということだったそうだ。中国では唐の時代、日本では平安時代に屠蘇を飲む習慣が始まったのだそうだ。一種の薬酒として飲んだものらしい。