住宅を買うときは、体が元気であることを前提に選びがちです。
しかし、70歳を過ぎて体力が衰えてくると、若いときには何でもなかったものが牙をむくことも。
バリアフリー基準で、床の高低差は5mm以下と定められています。
しかし一般的な日本の住宅には、敷居や和室との境目など数cm単位の段差がいたるところにあります。
この程度なら平気と考えるのは間違いです。
高齢者は身体機能の低下にともなってすり足で歩くようになるので、わずかな段差でもひっかかりやすいのですね。
高齢者は転倒しただけでも骨折等の重傷になる場合があるので要注意です。
室内でもっとも大きい段差といえば階段です。
建築基準法で蹴上げ(段の高さ)は23cm以下とされていますが、昇りやすいのは11~16cm。
それ以上だと階段の昇り降りがつらくなります。
蹴上げの高さだけではなく、形状によってもリスクは異なります。
一直線の階段は転倒時に下まで落ちてしまいますが、踊り場で折り返す階段なら途中で止まるため、けがを最小限におさえられます。
ただ、折り返す階段でも、平らな踊り場がなく、らせん状に段が続く形状だと、かえって危険。内側の踏面(階段の平面)が短く、足を踏み外しやすいのです。
実は、はちの家は一直線階段で昔娘がまっしぐらに転がり落ちたことがあります幸い大きなけがはありませんでした。
続いての問題は廊下です。
日本の住宅は、柱と柱の間が90cmで建てられるケースが多いです。
内のりがあるので、廊下の幅員は78cm前後。この幅だと、車椅子生活になったときに動きづらいですね。
車椅子の幅は介助用で約55cm、自走式の標準型で約63cmです。
自走式は腕が車椅子の両脇に出るので、廊下の幅員が狭いと腕をぶつけるおそれがあります。
かろうじて直進は可能でも、曲がるのは困難。廊下の側面に部屋の出入り口がある間取りだと、車椅子で出入りできない可能性もあります
暑すぎて寒すぎ「昭和の家」のリスクとは
和式の生活は立ったり座ったりの動作が多く、負担になります。
寝室が和室だと布団の上げ下ろしが必要だし、トイレも洋式より和式のほうが足腰に負担がかかります。
食事も、ちゃぶ台やこたつよりテーブルのほうが楽でしょう。
熱材の取り付け方法が改善され、断熱性能が高い窓やサッシが普及したのは、いまから10~15年前。
それ以前、とりわけ昭和に建てられた家は、夏は暑すぎ、冬は寒すぎてしまいます。
断熱性が悪いと、夏は熱中症のリスクが高まります。
一方、冬は寒すぎるので、暖房をつけた部屋と、暖房が入っていない廊下やトイレなどとの気温差が激しく、ヒートショックで脳卒中や心筋梗塞を引き起こすおそれがあります。
日本の住宅は必ずしも高齢者が暮らしやすいようにつくられていません。
これから住宅を購入する現役世代は、これらの点をよく考慮したうえで判断すべきでしょう。
今日中古住宅を案内して大きくて立派なお宅でしたが、見れば見るほど思うところがありこの記事を書きました。
しかし、70歳を過ぎて体力が衰えてくると、若いときには何でもなかったものが牙をむくことも。
バリアフリー基準で、床の高低差は5mm以下と定められています。
しかし一般的な日本の住宅には、敷居や和室との境目など数cm単位の段差がいたるところにあります。
この程度なら平気と考えるのは間違いです。
高齢者は身体機能の低下にともなってすり足で歩くようになるので、わずかな段差でもひっかかりやすいのですね。
高齢者は転倒しただけでも骨折等の重傷になる場合があるので要注意です。
室内でもっとも大きい段差といえば階段です。
建築基準法で蹴上げ(段の高さ)は23cm以下とされていますが、昇りやすいのは11~16cm。
それ以上だと階段の昇り降りがつらくなります。
蹴上げの高さだけではなく、形状によってもリスクは異なります。
一直線の階段は転倒時に下まで落ちてしまいますが、踊り場で折り返す階段なら途中で止まるため、けがを最小限におさえられます。
ただ、折り返す階段でも、平らな踊り場がなく、らせん状に段が続く形状だと、かえって危険。内側の踏面(階段の平面)が短く、足を踏み外しやすいのです。
実は、はちの家は一直線階段で昔娘がまっしぐらに転がり落ちたことがあります幸い大きなけがはありませんでした。
続いての問題は廊下です。
日本の住宅は、柱と柱の間が90cmで建てられるケースが多いです。
内のりがあるので、廊下の幅員は78cm前後。この幅だと、車椅子生活になったときに動きづらいですね。
車椅子の幅は介助用で約55cm、自走式の標準型で約63cmです。
自走式は腕が車椅子の両脇に出るので、廊下の幅員が狭いと腕をぶつけるおそれがあります。
かろうじて直進は可能でも、曲がるのは困難。廊下の側面に部屋の出入り口がある間取りだと、車椅子で出入りできない可能性もあります
暑すぎて寒すぎ「昭和の家」のリスクとは
和式の生活は立ったり座ったりの動作が多く、負担になります。
寝室が和室だと布団の上げ下ろしが必要だし、トイレも洋式より和式のほうが足腰に負担がかかります。
食事も、ちゃぶ台やこたつよりテーブルのほうが楽でしょう。
熱材の取り付け方法が改善され、断熱性能が高い窓やサッシが普及したのは、いまから10~15年前。
それ以前、とりわけ昭和に建てられた家は、夏は暑すぎ、冬は寒すぎてしまいます。
断熱性が悪いと、夏は熱中症のリスクが高まります。
一方、冬は寒すぎるので、暖房をつけた部屋と、暖房が入っていない廊下やトイレなどとの気温差が激しく、ヒートショックで脳卒中や心筋梗塞を引き起こすおそれがあります。
日本の住宅は必ずしも高齢者が暮らしやすいようにつくられていません。
これから住宅を購入する現役世代は、これらの点をよく考慮したうえで判断すべきでしょう。
今日中古住宅を案内して大きくて立派なお宅でしたが、見れば見るほど思うところがありこの記事を書きました。