マンションの怪 12

2021-08-12 09:47:33 | 日記
「…目は?…口は?💦」

口は微笑んでいるのか…。
目は優しい眼差しなのか…。

突然暗闇に現れた女の子…、その子が笑っているのか怒っているのかを知りたかった。

「目も、口もあったよ」

「私が知りたいのは、そんなことじゃなくて…💦」

「うん…、優しい顔してた…」

少しだけホッとした。だけど、問題はそんな事ではない💦

想像する限り、かなり衝撃の状況だ。

「…で、その女の子に起こされたあと…、立ち上がるの」

「Y子が?💦」

「…そう。立ち上がりたくないんだけど…、何となくそうなるの…。」

「そ、それで…?!」

「手を繋ぐの」

「手を…?!

「女の子の方から、すっと手を繋いでくるの」

「………。」

「冷たい手なの…」

「………」

幽霊の話しはよく聞くけど、手を繋ぐだなんて…さすがに初めてだ💦💦

「そのあと、その子は、いつもグイッて引っ張って、私をあるところに連れていくの。」

「………」

恐怖で次の言葉が見つからなかった。

マンションの怪 11

2021-08-10 09:37:43 | 日記
ーーとりあえず、近所の居酒屋に入った。

「…どこまで話したっけ?」

「ざわざわして…ドスンと胸に何かがのしかかって来て…。何かの呼吸音が聞こえて…。……そこまで…。」

「その後は、少しうとうととするの…。すると、トントン…と、肩を叩かれて…」

「…え?叩く?!」

「うん、そうなの…。いつもそれで起こされるの…。」

「だ、誰が?!マンションには、Y子ひとりなんでしょ。」

「もちろん」

いよいよ、"何か"の登場に、息をのんだ。

「それでね、目を開けると、女の子がいるの…」

「お、女の子……💦💦」

もう、それだけで、私の心臓は凍りついた。

「そう…。女の子」

「ど、どんな感じの?」

「髪は短くて、痩せてる。」

「…目は?…口は?💦」

何を聞いたらいいのか、混乱していた。

…というか、その女の子は、笑っているのか怒っているのかによって、状況が違うのではないか…と思った。

マンションの怪 10

2021-08-10 09:24:25 | 日記
Y子が体験している不思議な事を聞かされていたが、

「後で…」

と話は中断された。


仕事帰り…、

Y子は、急いで私のところにやってきた。

話しの続きをしようとしてくれているんだと思う。

もちろん、私も気になって仕方がなかった。

「話しの続きだけど…どこか、話せるお店に入ろう!」

「それもいいけど、……Y子の家に行こうか?」

何なら、遅刻の元凶があるんではないか…と思われるY子の家に行く方が早いのでは…と、察して、私の方から提案してみた。
正直何が起きているかわからないけど、どうやら部屋で"怖い体験"をしているようだし…。
遅かれ早かれ、その現場に行ってみるのも必要なのかと思ったからだ。

「ダメダメ…家の中では話せない…」

「なんで?」

「…聞かれたくない…」

え?聞かれる?誰に?!💦家の中に誰かいるの?💦











マンションの怪 9

2021-08-09 12:04:09 | 日記
ドスンという重たい何かが胸にのしかかると、今度は、人の気配。

そして、ゆっくりとした呼吸が聞こえてくる。

もちろん、自分のものではない。

「…それって、何?」

「わからない…。」

「Y子以外誰もいないんでしょ…」

「…うん。」

Y子は少し涙目になっている。

冗談や悪ふざけでは無さそうだ…。

「…それだけじゃないの…」

「まだあるの?」

「うん、むしろ、こっちの方が深刻…」

何故かY子は周囲を見回した。

それは、人の気配を察する見回し方ではない。

まるで見えない何かに怯えるかのような仕草のようだった。

「やっと眠りにつくと…今度は…」

外から誰かに呼ばれる声が聞こえた。

「後でね」

恐怖の限界の時に、話を中断された。

こんな状態がさらに恐怖を煽ったと思う。




マンションの怪 8

2021-08-08 08:55:58 | 日記
「…変な夢を見るの…。」

「…変な夢?」

「最近、毎晩…。」

「…それで、眠れてないの?」

「寝ているような寝ていないような…。」

「どういうこと?」

「夢かも知れないし…」

「…現実かも知れない…?」

「…うん。」

「どんな感じの夢なの?」

「私が眠りにつくと…。あ、正確には、眠っているのか…それとも現実に起きている事なのかどうかわからないんだけど…。…目を閉じて少し経つと、ざわざわ…耳の奥に何かが聞こえて来るの…」

「ざわざわ…?」

「うん、ラジオのチューニングのような…」

「テレビの砂嵐のような?」

「うん、そう。…すると、何かがドスンと体全体に乗っかってくる感じがして…。」

「何か…って?」

「…わからない…。重たい何か…。特に胸の辺りにドスンと…」

「……」

「すると、次には、人の気配を感じて…」

「人の気配って、どんな?」

「呼吸っていうか、ゆっくりとした息づかい…」