ドスンという重たい何かが胸にのしかかると、今度は、人の気配。
そして、ゆっくりとした呼吸が聞こえてくる。
もちろん、自分のものではない。
「…それって、何?」
「わからない…。」
「Y子以外誰もいないんでしょ…」
「…うん。」
Y子は少し涙目になっている。
冗談や悪ふざけでは無さそうだ…。
「…それだけじゃないの…」
「まだあるの?」
「うん、むしろ、こっちの方が深刻…」
何故かY子は周囲を見回した。
それは、人の気配を察する見回し方ではない。
まるで見えない何かに怯えるかのような仕草のようだった。
「やっと眠りにつくと…今度は…」
外から誰かに呼ばれる声が聞こえた。
「後でね」
恐怖の限界の時に、話を中断された。
こんな状態がさらに恐怖を煽ったと思う。