不思議 13

2021-07-26 11:03:10 | 日記
「お父さん!」

見知らぬ男性に思わず声を掛けてしまった。

「え?」

笑顔のまま振り返る。

「あ、いいえ、すみません」

あわてて、深々と頭を下げた。


男性は、呼び止められた感じはしたが、良く聞こえていなかったと思う。

…良かった💦


良く見ると、そんなに似ているわけではなかった。

ところどころ、目の細さとか、笑った時に出来る顔のシワとか…、似たような気がしただけだ。

自分で言うのも何だが、自分は割りと慎重なタイプだと思っていた。

…なのに、似ていると言うだけで、声を掛けてしまうとは…恥ずかしい💦

あちらさんも、見知らぬ男に「お父さん」と呼ばれたら困るだろう。

不思議 12

2021-07-25 08:24:57 | 日記
タイムスリップ?

…まさか…。💦



「この電車、○○に行きますか?」

「…さぁ…」

ホームを歩く人に声を掛けて、電車の行く先を聞いている男性がいる。

その人は、電車の扉の前に立ってキョロキョロすると、車両に乗り込んだ。

「あの…」

え?

自分に聞いてる?

「この切符、この電車でいいのかな?」

いかにもというくらい、古くさい切符だ。

「この電車、○○に行くやつです…」

「…そうですか…違うのかな?ありがとうございます」

男性は、ニコッとして、電車から降りようとした。

「あの…!」

「え?」

思わず声を掛けてしまった。

何でその人を引き留めたのかわからない…。



--そうだ!

去年亡くなった父親に似ている。

だから、声を掛けられた瞬間、何とも言えない気持ちになって、思わず引き留めてしまったのだ。

「何か?」

「あ、いいえ、すみません」

男性は、ニコニコしながら、電車を降りようとした。

「お父さん!」

「え?」



不思議 11

2021-07-24 09:33:25 | 日記
綺麗な着物を着た女性と、袴の女性が通り過ぎる。

思い切って話しかけてみよう!

電車から降りようと立ち上がった。



--いやまてよ、さっきから様子が変だ。

今、目の前で繰り広げられている光景…、

はじめは″仮装大会″かなにか…と思ったが、何となく様子が違う…。

確信は全く無いが、とにかく″違う″気がする。

しかも、たぶん、現代では無い。

あり得ない光景だ。

そして、自分がこの中に溶け込んではいけない気がする。

タイムスリップ?

まさか…。






不思議 10

2021-07-23 08:56:48 | 日記
「ゲホゲホ…」

「あ、いや、申し訳ない…」

咳き込むと、謎の男は慌てて煙草を消した。

そもそも、電車の中で煙草を吸うとは❗

しかも、これだけ座席が空いているのに、なんでわざわざ隣に座るんだ❗

車内は、自分以外は誰一人いない。

この不思議な光景を見てるのは自分だけなのか?

振り返ると先ほどの謎の二人組は消えていた。

車内で煙草を吸うなどと暴挙を働いたため、格好悪くて降りたのだろう…。

それにしても、車両の外は、きれいなオレンジ色の灯りだ。

ん?焼き物のにおい?

魚が焼けるようなにおいもする。



「…そうなの…」

「…やっぱり…」

綺麗な着物を着た女性と、袴の女性が通り過ぎる。

思い切って話しかけてみよう!

電車から降りようと立ち上がった。



不思議 9

2021-07-22 11:34:08 | 日記
見たこともない…いや、もしかしたら、何かの映画で見たことがある光景かも知れない。

本当に不思議なモノが見えていた。

「今日は忙しかったなぁ…」

スリーピースと言うのだろうか、お洒落なベストが印象的なスーツを着た男性が車両に入ってきた。

「また、電車が遅れてるのかなる…」


ベレー帽に丸眼鏡の男性と一緒だ。

二人は、ドスンと隣に座ると、煙草を吸い始めた。

え?電車の中なのに…?!

しかも、これだけ車内が空いているのに…隣に…。

「いやいや~、電車が遅れがちで敵わん」

「ゲホゲホ…」

煙草の煙にむせた。

「あ、いや、申し訳ない」

あわてて煙草を消した。