Cさんは、ワクワクしながら帰って行った。
「そんなことあるんですか…?悲しそうな表情の女性が笑顔に変わるとか…」
「はっきり覚えてないけど、子供の頃にTVで見た記憶があるのよ~」
「すごいですね!…それじゃ、この絵も、それに匹敵する凄い絵ってことになりますね」
「さぁ…埃やゴミだった…っていうのも否定出来ないし…微妙よね。」
「…まぁ、そうですよね」
「その絵、外しておいて」
「え?外すんですか?」
「絵が本当に変わるかどうか確認したいじゃない。確認する前に売れちゃったら困るし」
「まぁ…そうですよね」
「私の事務所に飾っておいて、変わるかどうか毎日チェックするから」
「…あ、はい」
その日、その絵は、お店の壁から外された。
きっとCさんががっかりするだろう…。
その後、絵が変わったという社長からの報告は無かった。