『コワイもの…』
と言われて、急に足がすくんだ。
それでなくとも、世間を騒がせている『お化け屋敷』に入っている…というだけで、十分な状況なのに…。
奥の部屋は、また一段と薄暗くカビ臭かった。
この部屋の畳は、あまり汚れていない…。
「コワイのって?」
「これこれ!」
薄暗がりの中に洋服タンスが一つあった。
N君は躊躇することなく、タンスを開けた。
中には、男物の着物が2枚と、その奥に、隠すようにピンクのドレスを着た洋風の人形があった。
「人形…?!」
隊長が不安げな声を出した。
「人形とか…コワイよね」
Mちゃんの声に、隊長がゴクッと唾をのんだ。
「人形じゃないんだよ。コワイのはこっち!」
ハンガーに掛けてある奥の白っぽい着物の背中が黒い。
「これ、前に兄ちゃんとここに入った時、この黒い染み、血じゃないか…って…言ってた」
「血じゃないんじゃない?黒いし」
Mちゃんの『血じゃないんじゃない?』発言が無ければ、子供たちはみな一斉に逃げ出していたんじゃないかと思う。
また、『ゴクッ』と唾をのむ隊長。
「怖がらせるために、誰かイタズラしたんじゃない?」
Mちゃんは、場の空気を和ませる天才だと思ったが、今思うと、怖がりのMちゃんは、場の空気を怖い空気にしたくなくて必死だったのかも知れない。
つづく。。。
と言われて、急に足がすくんだ。
それでなくとも、世間を騒がせている『お化け屋敷』に入っている…というだけで、十分な状況なのに…。
奥の部屋は、また一段と薄暗くカビ臭かった。
この部屋の畳は、あまり汚れていない…。
「コワイのって?」
「これこれ!」
薄暗がりの中に洋服タンスが一つあった。
N君は躊躇することなく、タンスを開けた。
中には、男物の着物が2枚と、その奥に、隠すようにピンクのドレスを着た洋風の人形があった。
「人形…?!」
隊長が不安げな声を出した。
「人形とか…コワイよね」
Mちゃんの声に、隊長がゴクッと唾をのんだ。
「人形じゃないんだよ。コワイのはこっち!」
ハンガーに掛けてある奥の白っぽい着物の背中が黒い。
「これ、前に兄ちゃんとここに入った時、この黒い染み、血じゃないか…って…言ってた」
「血じゃないんじゃない?黒いし」
Mちゃんの『血じゃないんじゃない?』発言が無ければ、子供たちはみな一斉に逃げ出していたんじゃないかと思う。
また、『ゴクッ』と唾をのむ隊長。
「怖がらせるために、誰かイタズラしたんじゃない?」
Mちゃんは、場の空気を和ませる天才だと思ったが、今思うと、怖がりのMちゃんは、場の空気を怖い空気にしたくなくて必死だったのかも知れない。
つづく。。。