G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

八曽山(327m)、八曽湿地の周回 ~秘境の雰囲気が漂う八曽湿地の存在に驚く~

2016-02-08 | 山行

2月6日(土)、曇り、時々晴れ、暖か(10℃位)、無風で穏やか
参加者:G.G.ほか12名
歩行距離:約14 km
所要時間:約5:45(昼食、休憩、ルートミスによるロスタイム:40分を含む)
歩行コース:GPSのトラック
樅の木キャンプ場→八曽キャンプ場→山伏の滝→八曽山(昼食)→湿地展望台→山の神→パノラマ展望台
→石見山→巌頭洞→天狗岩→樅の木キャンプ場
(注)八曽キャンプ場~分岐点のトラックはルートミスによるもので本来は無い。

標高図:GPSの標高図
「キャンプ場」と「山伏の滝」間の「山:0.5km」と「展望台」~「岩見山」間の「谷:1.5km」は
ルートミスによるもので本来は「0 km」である。

(クリックすると拡大)
山行リポート:
樅の木キャンプ場を出発して、直ぐの車止めゲート脇を通り抜けて五条川の渓谷沿いに進む。
八曽キャンプ場で左折し、林道を少し行った所で右側の沢沿いの登山道に入る。
但し、右へ分岐する登山道の標識を見落とし、暫く直進してから引き返した。(1回目のルートミス)
沢沿いに進んで行くと「山伏の滝」に突き当たる。落差が20m位あり水量も豊富で
思っていたよりも立派である。暫し、滝を眺め、写真撮影をする。
右手の尾根に上がり八曽山へ向かう。途中、南方の展望が開けた所があり、暫し、山々の同定を楽しむ。
西方に見慣れた尾張富士、本宮山、南方には「春日井三山」(道樹山、弥勒山、大岩山)が指呼の間に見える。

八曽山頂上近くに来ると大規模な城壁のような石垣が目を引く。

付近には水を湛えた池や、風化した数体の石仏などが散在している。

山頂には半ば崩壊した祠が残さていた。その前に、この遺構の由緒を書いた説明文が置かれていた。
それに依れば、「奥平貫山」と言う僧が塔野地にあった「宗岳寺」を1878年頃に八曽山の山頂に
再建したものの、自由民権運動に関わったとし、1884年逮捕、投獄され、翌年に獄死したそうである。
その結果、宗岳寺は住職を失い廃寺になったのであろう。
1880年頃は自由民権運動が盛んな時期であり、日本各地で民衆が蜂起し、官憲により弾圧された
歴史を思うと、このような僻地にも民権運動の大きな「うねり」が押し寄せて来て、「奥平貫山」はそれに
飲み込まれたのであろうか。 

獄死した「貫山」の悲運、無念さを思うと、多少、後ろめたいが、その前で記念撮影する。

山頂を後に、山頂の北側に回りこむと、珍しい光景が待っていた。大きな葉のシダに覆われた斜面に無数の杉木立が直立していた。オゾンとフィトンチッドが充満しているような素晴らしい林間の小径である。

地点表示No.5で右折し八曽湿地に向かう。No.4から湿原の中を通る北方へ向かう道は無さそうなので
湿地帯の真っ只中に踏み込んで行く。
周囲は林に囲まれた秘境の雰囲気が漂う湿原であるが、今は枯草が寝ているだけの殺風景な景色である。
草の下は水が滲みだしグチョグチョして歩き難いが、靴が水に浸かるほどではない。
暫くすると、偶然に湿地展望台へ着く。こんな寂れた所に展望台があるとは全く知らなかったので驚く。
帰宅してからWeb.で調べ、そこにある看板で、この湿地帯が八曽湿地と呼ばれる事、湿地観察のマナーとして
「湿地帯には踏み込まない」と朱記されていたのを知る。
若し、この看板がNo.4の地点にあったならば、この湿地の真中を縦断するような愚挙は避けられた筈で
申し訳ない事をしたと思うと同時に、看板の設置箇所の改善が望まれる。

湿地帯を縦断して林道に上がり、「山の神」で一息入れた後、パノラマ展望台へ向かう。
名前の如く360度の大展望である。目の前には八曽山が頭をもたげていた。

大休憩後、下山にかかる。分岐点で一度「山の神」方向へ少し戻ってから左折しなければならないのに、
全員がボンヤリ?していて、分岐点で右折し八曽キャンプ場の近くまで下りてしまった。(2回目のルートミス)
未だ見どころも残っているので、引き返し、岩見山へ向かう。
岩見山と少し先の好展望の個所で対岸の焼山の岸壁を眺める。
少し先を右折し沢まで、一気に100m程下りる。巌頭洞を見学のため沢沿いに上流へ向かうも巌頭洞は
沢沿いにあるとの思い込みで、行き過ぎてしまう。(3回目のルートミス)
途中で行き過ぎに気付き戻りかけると「天狗岩」の看板があり、余りそれらしく見えないが暫し眺める。

引き返し、巌頭洞の看板の所から5m位上がった所に奥行き2m位の気味悪い洞窟があった。
直径1m位の横穴が奥へ繋がっているようである。由緒は不明である。
写真はフラッシュを炊いたので明るいが実際は大分薄暗い。

この後は、時間も遅くなり、わざわざ沢まで降りて行って見る程でもなさそうなので、乙女滝、五段の滝を眼下に見下ろしなが樅の木キャンプ場に無事帰着する。
雑 感
■ルートミスについて:
湿地帯以外は5年前に歩いたことがあるコースであり、危険箇所もないので、舐めて、事前のルート確認を疎かにしたのがミスの主原因であろう。油断禁物である。
なお、2回目のミスはメンバーが地図を見ずに誤った方向に歩き出し、リーダーもうっかり、それに釣られてしまったが、リーダーとしては、このような群集心理的行動は厳に注意しなければならない。
■「八曽湿地」:
寡聞にして知らなかったのかもしれないが、知名度は高くない。然し林に囲まれた秘境の雰囲気が漂う、6.5 haもの広さの湿地帯で、是非とも冬以外の季節に再訪したいものである。
■変化に富んだ楽しいコース:
登山とすれば、超低山の里山で物足りないが「山伏の滝」「秘められた歴史を持つ宗岳寺」
「八曽山北側のシダと杉木立の組合せの妙」「八曽湿地」など見どころ満載である。

 

 


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3 コメント

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近郊に良い所が・・・ (田村昭道)
2016-02-09 09:31:18
幾つもの石垣・・・素晴しかったですね。
巨大な杉並木、大きななうらじろ(?)
湿原・・・木道があるといいですねえ・・
何年か前に散策しましたが、気づきませんでした。
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ハ曽山 (星谷幸男)
2016-02-15 21:01:26
14キロの距離感はありませんでしたね、歴史と自然に触れ合う事ができた素晴らしい山行でした。
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これからも宜しく (g.g.shimizu)
2016-02-16 14:58:39
パソコンが調子よくなったようですね。
これからもコメントを宜しくお願いします。
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