最近、近所の大型書店に老人本の展示棚が設置され、20冊以上が陳列され人目を引いている。
「人生100年時代」の喧伝と事実、新聞の訃報欄を見ると90歳前後の方が多く、100年は尚早だが、「人生90年時代」は到来しているのを実感する今日このごろである。
かく言う小生も80歳を過ぎ、当然仕事はしていなく暇もあり、金銭的な心配もないので、充実した老人生活を送りたいものと常々願っている。
然し、充実した老人生活とは、どのような生き方であるのか明確に整理できていず、それが不安のタネである。
一方では最後まで面白おかしく、楽しく過ごせれば、それはそれで悪くない生き方とも思っているが、多分、そんな人は極く稀な神の寵児に限られるであろ。
幸い、今は心身共に、すこぶる健康で色々な趣味の世界に遊び人生を謳歌しているが、やがては身体も頭脳も衰え人生を謳歌できない時が来る筈である。医学の進歩などを考えると、その後もかなりの期間、未知の領域を生きなければならないであろう。
多くの高齢者は、そうなった時どう生きれば充実した人生が送れるかを知りたいので、老人本を手にするのであろう。又、色々な作家、思想家、宗教家など各界の人も例外でなく、老いて未知の領域に踏み込んで行き、都度、新たな知見を得、それを公表することになるので、老人本の出版は一過性でなく、今後も継続すると考える。