koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

「賽は投げられた!!」

2007年01月10日 22時48分02秒 | 歴史

BC50年1月10日,ローマのガリア属州総督に任じられていたガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー:BC100-44)は,麾下の全軍に眼前を流れるルビコン川の渡河を命じる。


古代共和制ローマに於いて,ルビコン川以南-つまりローマ市内に軍を進めることは御法度であった。
それを敢えて行うカエサルには並々ならぬ決意があったに違いない。


ローマの上級貴族の子に生まれたカエサルは,執政官を目指し,オリエント(中東のことであろう)を平定したものの最高執政機関ともいうべき元老院に認められず不遇を託っていたポンペイウス(BC106-48)と結ぶことで念願の執政官になる。
さらに経済界を牛耳るクラッスス(BC115-53)と組むことで,元老院に対抗。
これが世界史の教科書にも載っている三頭政治である。
そして,前述のガリア属州総督に就任。
ガリア(主にフランス)のみならずゲルマニアや遠く海を越えてブリタンニアとも戦い,ガリア全土をローマの属国とし,ローマの北方に揺るぎない勢力を扶植する。
このことをカエサル自ら記したのが有名な「ガリア戦記」である。
BC53年,パルティア王国(イラン北部)と戦っていたクラッススの軍が壊滅。
三頭政治の一角が崩れると共に,元老院と結んだポンペイウスとの対立が表面化する。
翌々年,元老院によるガリア属州総督解任および本国召還を命じる最終勧告を無視したカエサルは遂にルビコン川を越えた。
そして,その際彼が言ったのが
「Alea jacta est.!!」
つまり,
「賽は投げられた!!」
である。
やがてローマに攻め込んだカエサル軍はイタリア半島を席捲。
ポンペイウスはギリシャに逃れ(後カエサル軍に追われアレクサンドリアで殺害される),カエサルによるローマ支配が成立する。


有名な
「賽は投げられた!!」
は,このような状況から起こった言葉である。
ローマ共和制,そして元老院という権威に対し真っ向から勝負を挑んだカエサルの心意気
と果断さがひしひしと伝わる言葉である・・・。


因みに,以前述べた機動戦士ガンダム0080-ポケットの中の戦争」に於いて,ジオン公国軍所属のサイクロプス隊が,サイド6のリボーコロニー内に搬入されていた地球連邦軍の新型モビルスーツRX78-NT1(Allex)を強奪・破壊(失敗したらコロニー毎核ミサイルで壊滅させる)しようとした作戦全体を「ルビコン計画」と呼んだ。
これなんかは,もろにこの史実を受けた例であろう。

 

・・・と珍しく西洋史根多に挑戦してみたが,やはり苦手なジャンルなのでこの程度しか書けなかった。
以前述べた「ローマ人の物語」を読破すれば,もっと書けるかもしれないが・・・。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カエサル (小袖)
2007-01-12 21:40:29
この話は「ローマ人の物語り」で読みました。
koshiさん、この程度なんて事ないですよ。
これだけ書ければ素晴らしいですよ!!

「ローマ人・・・」はこの後カエサルが暗殺されるまで読んで止まってるんですよ。
一回しか読んでないんで、まだまだ全然です。

久しぶりにこの話読んだので嬉しかったです。
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やはり西洋史は苦手です・・・ (koshi)
2007-01-14 00:47:43
小袖さん,今晩は。
未熟な西洋史根多にコメントをいただきありがたい限りです。
もしかすると西洋史根多は初めてかもしれませんね。
どうも若い頃から苦手意識があり,敬遠してきたジャンルであった訳ですが,芸術史・文化史と輻輳させてみると意外に面白かったりしますね・・・。
「ローマ人の物語」は名著ですね。
「ハンニバル戦記」なんて血湧き肉躍る内容でしたし,考証なんか本当に素晴らしい。
「カエサル」編は確かルビコン川以前と後に分かれているのでしたっけ・・・???
文庫で25巻という長さに参っているところですが,何としても読んでみたいですね。
塩野七世の著作では,「コンスタンティノープルの陥落」と「レパントの海戦」も良かったです・・・。
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自分も西洋史苦手です。 (小袖)
2007-01-16 22:44:25
私の場合は苦手というかほとんど知らないと言っていいとおもいます。
歴史的な事柄でも、前後が全然わかりません。
いつの時代かなんて事も知らないって事もしょっちゅうです(^_^;)

「カエサル編」はルビコン川以前と以後に分かれてました。たしか。
また続きを読みたいですが、他に興味があちこちに移ってしまいまして(汗)

他の作品も読みたいと思いながら…(以下略)
ホント時間が欲しいですよ~~(^^)

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最近は・・・ (koshi)
2007-01-17 22:43:38
小袖さん,今晩は。
最近は,国際情勢絡みで各国の歴史を繙くことが楽しみになり,以前ほどの苦手意識は無くなったかな,という感じです。
近代民主主義の成立とロマン主義系術の萌芽なんてかなりの近接性,というか同時代性が認められますし,19世紀末の暗澹たる世相なんて欧米列強の帝国主義と被りますしね・・・。
ただ,ヨーロッパの中世史は今でも抵抗があります。
英仏二国の王朝名を苦労して暗記した受験勉強を思い出しますし(終わったら雲散霧消),学生時代やたら退屈だった西洋史のくそ面白くない講義も思い出しますので・・・。
そうした中での「ローマ人の物語」はまたとない福音でした・・・。

本当に時間無いですね。
私も読書する時間が欲しいです・・・。
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