koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

好対照・・・

2013年06月12日 21時46分21秒 | 音楽

この静謐感と透明感は何なのだろう・・・。
死の年の作品故か・・・。
澄み切った明鏡止水の境地にあったとは到底思われないのだが・・・。


心地よいアレグロの疾走も,ロンドの躍動も無い。
有るのは,人生の秋のような諦観と永遠なるものへの憧憬か・・・。
第2楽章冒頭のシンプルな音型から典雅な香気のように立ち上るのは,寂寥か孤愁か・・・。
第3楽章は,歌曲「春への憧れ」が引用される。
二度と巡ってこない春を感じていたのかどうか・・・。
無限なるものの輪廻・・・。

Mozart Piano Concerto No 27 B flat major K 595 Joao Pires, Pinnock ピリスとピノック。
何とも豪華な組み合わせに,暫し聴き入る・・・。
部屋の照明を落とし,雑念を断って・・・。
やはり,特別な曲だ・・・。
シンプルなるが故の深遠さと難しさ・・・。


そして,K.503。
旋律美よりも構成感を際立たせたと言われる作品。
しかし,これもまた紛れもなくモーツァルトの傑作と思う。
少なくても,妙な副題のせいで,妙に人気のK.537よりは・・・。
冒頭の決然たるアレグロと弾力的なリズム。
第2楽章の悠然たる流れ。
終章には,何と後輩たるベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタのエコーまで聞こえるという・・・。

Mozart Piano Concerto No 25 C major K 503, Mitsuko Uchida, Riccardo Muti

我らが世界に誇る内田光子+ムーティ~ウィーンフィルという豪華な顔合わせ。
06年か翌年のザルツブルグ音楽祭のライブであろうか。
冒頭の底抜けに明るいCdurの和声の響きは,カンパーニャやソレントの浜辺で見る南欧イタリアの太陽のようだ・・・。
エッジの効いたリズムと強靱なカンタービレ。
そして,寸分の崩れも見当たらないソロ・・・。


85年のブレンデルとアバドの共演も見事だったが,今は断然これだ・・・。


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