風通庵-直言

ヨモヤマ話

煽てられたり煽てたりのタレント立候補

2010-05-24 09:51:20 | Weblog
 党は頭数揃えるのに、選挙に際してタレントその他の著名人は狙らい目だが、逆に落ち目のその筋の人たちの起死回生に選挙はうってつけである。従って、次の選挙には先生の知名度を、是非わが党のためにと煽てられれば、いやア、私のようなもでも国民の絶対多数の支持を得た貴党のお役に立つならばと、いまや落ち目の自分を振り返り、貴党を煽ててその波に乗ってもう一度自分の知名度を高めたい。そんな野暮な欲望からアホが利口そうな顔つきをしての立候補。傍目にも「お可哀そう」に映るのだが、さて。

 既に民主党から参議院選挙に立候補を固めている何んとか言う五輪メダリスト、早速自分の宣伝を兼ねて大阪の市会議員それも区選の補欠選挙の応援で、手をふっても「テ」の字の反応もなかったと新聞が報じている。さて来るべき本人の選挙や如何に? 補選の結果、政党候補中最下位であった。

 田中角栄の時代に、山東昭子と言う女優が自民党から立候補、「わたし、田中総理は大好きです、全国民に握手させたい」と、満面作り笑いで、演説して聴衆からやじり倒された。これ、今流に言えば、田中総理を小沢幹事長と読みかえればよくわかるだろう。いかに小沢ガールズが厚かましくても、そんな演説は出来まい。言えば言うほど人気が下がる今の世の中。それに類することをやったあの女優。当選後、泣いたか飛んだかは知らない。

 あの、のんき節の石田市松は議員で、国会と寄席と両方に勤務していたようで、バイオリンを弾きながら「なに? 眠いのか、そんなところで居眠りしないで、しっかりやれよ?」「やってますよ。居眠りは国会でしますよ」とか言って、当時の国会の状況をネタにしていた。

 いろいろと記憶をたどると、あの扇千景氏が政党から立候補を打診されたとき、義父であり当時の中村鴈治郎氏は使い捨てしないならと、それを条件に議員の立候補を認めたとか。さすがに夫・中村扇雀とともに当時第一線で活躍していた女優ながら、本人にもその気迫があったのか、女優をピタリと止めて政治家に転身し、当時の建設大臣から参議院議長まで務めた。ソン所そこらの成り上がりタレントの俄か議員とは質が違っていた。
 扇千景氏、何をやっても第一級の素質を持つ人物のよう。神戸のトップ高校から宝塚へ。大学進学の同級生が卒業する前に既に宝塚でトップスターに。そして全国ベースの知名度があった。この点は、素人総理の妻で同じ宝塚出身とは言え、色目使うだけのワンサ・ガールとは素質が違うわい。
 いまや、この扇千景一家、夫は坂田藤十郎、長男は中村翫雀、二男は中村扇雀、その孫達も活躍、歌舞伎界の一大名門を預かる大奥である。

 だから、いわば、タレントといえども本人の心構えと素質次第、煽てられての付和雷同で、晩節を汚さないことである。
 

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