風通庵-直言

ヨモヤマ話

通称「議員連盟(議連)、本名「族議員」

2010-12-25 08:26:31 | Weblog
 民主党が野党の時代に、「政官業の癒着」と自民党のいわゆる族議員を強烈に攻撃してきたが、さて与党になって,計らずも政権の座に就くと嘗ての自民党の方式が否応なしに付いて回る。そのいい例が○○議員連盟、名称は何とでも、中身は業者とそのグループの持ちつ持たれつの関係の「族議員」である。民主党のような連合の全面的支持を得ての左派政権にでも業者は事業可愛さになびく。経団連の会長も政権党なら無視もできないような。

 業界内でも特に政治の世界に手を突っ込んで、政治家を利用して、政治家と共に歩んできたタクシー業界やトラック業界などの運送関係の5団体が早速民主党「トラック議員連盟」を組織、「自動車諸税の軽減」を訴えたようだが、すでに「環境税」の導入などで効果を上げたとか。高速道路の通行料問題にも影響を及ぼすかも。
 運送業界とは正反対に、政治家や政治的な動きにはトンと弱い業界が石油業界であることは衆目の認めるところ。これには戦後の石油産業の驚異的な発展が背景にあり、政治家の側も票にならない業界との認識である。それが政権交代と、出来るものなら政治家のお力をお借りして----と、石油業界も民主党「石油エネルギー政策研究議員連盟」なる族議員の組織を立ち上げたようである。
 
 かかる現状を報じた読売新聞12月24日の<政治の現場>によると、「国民からの付託、要望はきちんとこなさないと(民主党政権が)飽きられてしまう----」と、民主党議員たちがその決意を語っているが、こともあろうに、トラック議員連盟に名を連ねる議員とほとんど同じ議員が石油エネルギー議員連盟にも参加している様子。議員側からは二重に業界から負託を受けて心強いかもしれないが、もともとは運送業界と石油業界は犬猿の仲。燃料を安く買いたい運送業界と、高く売りたい石油業界。利益相反する業界で、運送業界は常に勝ち組。これに対して石油業界は常に負け組。その勝負に大いに貢献するのが政治家である。
 こんな事情から、両業界の族議員諸氏は、石油業界を立てれば運送業界が立たず、運送業界を立てれば石油業界が立たず、両方立てれば身が立たない、そんな事態に出会うこと請け合いである。

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