ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

雪山救助犬ノア(6)

2008-01-26 | 放蕩息子Part2
次に、その若い登山家が目を覚ましたとき、彼は、キャンプの暖かい部屋に置かれたベットに、救護員に見守られて寝ていました。

「助かったんだ。」彼はつぶやきました。

救護員が言いました。「ええ、あなたは助かったんですよ。もう大丈夫です。」


「吹雪の中、断崖からなだれ落ちて・・身を隠す場所を作った・・気がつくと熊に襲われていて、必死でナイフで攻撃したところまでは、覚えているのだが・・・」

少し間があって、そして救護員が静かに言いました。

「それは熊ではありません。ノアですよ。ノアがあなたを雪の中から見つけ出したのです。救助隊はトランシーバーの発信信号を頼りにしていたので、少し離れたところで作業していました。ノアは、体に致命的な傷を受けながらも、雪の中からあなたを掘り出し、救助隊のところまで引きずって来たのです。ノアの活躍であなたはいのちが助かったのです。」

「で、今、その、ノアは・・」

深く息を1つ吸って、そして救護員が言いました。

「ノアは、もうここには居ません。ノアは働きを全うして、永遠の住まいに戻りました。」



(週末は、このストーリーから、人生の知恵をまじめにウンチクります。)



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