ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

雪山救助犬ノア(1)

2008-01-21 | 放蕩息子Part2
その山は多くの登山家たちに愛されていました。遠くから見るその姿は雄大で、心を和ませてくれます。夏には山裾でピクニックをしたりカントリーウォークを楽しんだりする人々でにぎわいます。そして、本格的な登山のために訪れる人もたくさんいます。山にはいくつもルートがあり、なかには上級者にとっても厳しいルートもあります。ポイントごとにキャンプがあって、登山家たちは、そこで休憩をしたり、情報を集め、さらに上に向かって行きます。

夏には穏やかなその山ですが、冬になると、その様子は一変します。強い風が吹き、雪に覆われ、行く手を阻むかのようです。かえってそのことは、登山家たちの心をかきたて、挑戦する人たちが後を立ちません。どれほど山に慣れ、経験を積んだ人でも、事故に合わないとは限りません。それで、山のキャンプには、怪我をした人のための救護員、そして、遭難をした人を助ける救助隊も控えていました。

キャンプの人気者は、なんといってもノアです。ノアは、セントバーナードという種類の犬で、とても大きくて力強く、また頭が良くて勇気のある、そしてとても優しい犬でした。特別に訓練され、救助犬として活躍していました。人だと、とても立って歩けないような強い風の中でも、ノアは4本の足で力強く進んで行きます。雪で足跡が消された中でも、ノアはわずかな匂いを嗅ぎ取って、遭難した人を探し出します。

(つづく)

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