ある日、ケイは、一人で留守番することになりました。おかあさんとおねえさんは、買い物に行くのです。
「ケイ。おかあさん、あなたのお昼ご飯、もう作って用意してあるから。チンして、食べるのよ。」
ケイは、にっこり笑って、おかあさんに「いってらっしゃい。」を言いました。おかあさんは、玄関のところで「いってきます。」を言いました。
「ただ、料理は自分でしないこと。そうでないと、きっと大変なことになるから。」
おかあさんとおねえさんは、出かけてしまいました。家には、ケイがひとりいるだけです。いつもは、朝、テレビを見せてもらえないのですが、今は、一人です。ケイは、テレビをつけてみましたが、おもしろくないので消しました。今度は、歌を歌うことにしました。大きな声で歌を歌っても、「うるさい。」と言う人はいません。でも、これもすぐに飽きてしまいました。
ケイは、いろんなことをしてたくさん遊びました。そろそろ、おなかがすいてきました。
「お昼ご飯は、もうできてる、って・・なんやろう。」
食卓の上を見ると、おにぎりが2つ、たまご焼きと、昨日の晩御飯の残りのカラアゲでした。
「何、これ。超手抜き。」
ケイは、おかあさんの言ったことを思い出しました。
「料理は自分でしないこと、って言ったな。ほいでも、これやったら、私のほうが、もっと美味しいものを作れるわ。」
ケイは、自分でお昼を作ることにしました。おかあさんが料理していたことを思い出しながら、冷蔵庫から、いろいろ出して、洗って、切って、鍋で煮て、フライパンで炒めました。
「ほら、おかあさんのよりも、ずっと美味しそう。」
夕方になって、おかあさんとおねえさんが買い物から帰ってきました。
「ケイ。どうしたの。お昼食べてないじゃない。」
「ううん。ちゃんと食べたし。私、自分でお昼作ってん。」
おかあさんは、あわてて、キッチンに飛んで行きました。キッチンは、まるで竜巻と津波とゾウの大群が通り過ぎた後のようです。
「だから言ったのに。」
おかあさんは、次の日と、その次の日と、二日かけて、キッチンを掃除しました。おかげで、キッチンは、前よりもピカピカ、きれいになりました。
(つづく)
「ケイ。おかあさん、あなたのお昼ご飯、もう作って用意してあるから。チンして、食べるのよ。」
ケイは、にっこり笑って、おかあさんに「いってらっしゃい。」を言いました。おかあさんは、玄関のところで「いってきます。」を言いました。
「ただ、料理は自分でしないこと。そうでないと、きっと大変なことになるから。」
おかあさんとおねえさんは、出かけてしまいました。家には、ケイがひとりいるだけです。いつもは、朝、テレビを見せてもらえないのですが、今は、一人です。ケイは、テレビをつけてみましたが、おもしろくないので消しました。今度は、歌を歌うことにしました。大きな声で歌を歌っても、「うるさい。」と言う人はいません。でも、これもすぐに飽きてしまいました。
ケイは、いろんなことをしてたくさん遊びました。そろそろ、おなかがすいてきました。
「お昼ご飯は、もうできてる、って・・なんやろう。」
食卓の上を見ると、おにぎりが2つ、たまご焼きと、昨日の晩御飯の残りのカラアゲでした。
「何、これ。超手抜き。」
ケイは、おかあさんの言ったことを思い出しました。
「料理は自分でしないこと、って言ったな。ほいでも、これやったら、私のほうが、もっと美味しいものを作れるわ。」
ケイは、自分でお昼を作ることにしました。おかあさんが料理していたことを思い出しながら、冷蔵庫から、いろいろ出して、洗って、切って、鍋で煮て、フライパンで炒めました。
「ほら、おかあさんのよりも、ずっと美味しそう。」
夕方になって、おかあさんとおねえさんが買い物から帰ってきました。
「ケイ。どうしたの。お昼食べてないじゃない。」
「ううん。ちゃんと食べたし。私、自分でお昼作ってん。」
おかあさんは、あわてて、キッチンに飛んで行きました。キッチンは、まるで竜巻と津波とゾウの大群が通り過ぎた後のようです。
「だから言ったのに。」
おかあさんは、次の日と、その次の日と、二日かけて、キッチンを掃除しました。おかげで、キッチンは、前よりもピカピカ、きれいになりました。
(つづく)