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すれ違いG20閉幕、さらなるマイナス金利政策拡大が通貨安競争を予感

2016-02-28 07:46:35 | 日記
 中国・上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、混乱が続く金融市場に「政策協調」で安心感を与えることが課せられた使命だった。
各国は市場安定化に向け、あらゆる政策を総動員することを確認したが、各国が抱える課題や思惑はさまざま。市場混乱の主因の一つである中国経済の減速懸念は
解消されたとは言えず、財政出動には日本やドイツは慎重姿勢を示す。各国の行動には不透明感が残る。
 ◇すれ違い
 「リスクに対応するため、各国の政策課題に真摯(しんし)に取り組む必要がある」。麻生太郎財務相は討議で、各国が結束してリスクを取り除くよう呼び掛けた。
 麻生財務相が最も強く対応を求めた相手は中国だった。過剰設備の解消など中期的な構造改革計画や人民元の安定策を示すよう要請。ところが、中国の楼継偉財政相は
「構造改革を(相互)評価する枠組みをつくる」と述べ、構造改革問題をG20各国共通の課題に位置付け、巧みに論点をそらした。
 一方、米国は需要拡大のため日欧などに積極的な財政出動を求めたが、麻生財務相は27日のG20閉幕後の記者会見で「(国会で)審議中の2016年度予算の早期成立が
経済成長や景気対策に一番だ」と述べるにとどめた。ドイツのショイブレ財務相も会議直前に「同意しない」と発言、G20内ですれ違いが目立った。
 ◇強気貫く中国
 景気減速と株安に見舞われる中で議長国を務めた中国が最も危惧したのは「世界的な金融市場混乱の元凶」と批判が集中する事態だった。上海株急落と人民元の切り下げが
世界株安連鎖を引き起こしたという弱みを隠し、強気の姿勢を貫いた。
 中国は今回、構造改革の推進という基本姿勢の説明に加え、目先の景気対策として、米国が各国に求めた財政出動をカードに使った。中国にとって財政出動拡大は、
昨年12月の重要会議で決めた既定路線だが、各国は「政策協調」と好意的に受け止めた。
 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は開幕直前に異例の記者会見に臨み、人民元や資本流出問題を丁寧に説明。そのため各国の間では中国の為替政策について
「信頼できるとのトーンで議論が行われた」(麻生財務相同行筋)という。
 ◇マイナス金利に批判出ず
 今回のG20は日銀がマイナス金利政策を16日に導入したばかりというタイミングで開かれた。金融市場では「円安誘導が狙い」との見方が根強いだけに、日銀の
黒田東彦総裁は討議初日から、物価目標達成のための政策だと説明。G20声明は通貨安競争の回避を再確認したが、会議で日銀への批判は出なかったという。黒田総裁は
G20閉幕後に「十分な理解が得られた」と胸を張った。
 背景には、マイナス金利政策の導入決定以降、円相場は下落するどころか、中国経済の減速や原油安の影響で上昇していることがある。
 金融政策に詳しい東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「円安効果が明確に出ていないためだ」と指摘する。ただ、黒田総裁は「必要な場合にはさらに金利を
引き下げる」と繰り返し主張しており、加藤氏は「マイナス金利政策が通貨安競争を予感させるものであることは間違いない」と警鐘を鳴らす。(上海時事)
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