日本の14年ぶり3度目の優勝で幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。栄えあるファイナルを彩ったのは、ふたりの天才による勝負だった。
最後の最後で、筋書きのないドラマが待っていた。MLBで3度のMVPを誇る現役最強打者と、唯一無二の“二刀流”が対峙。
普段はロサンゼルス・エンジェルスの同僚でもある大谷翔平とマイク・トラウトが対峙したのだ。
日本が1点をリードした9回裏2死無塁、一発が出れば同点という局面で、ふたりは向かい合ったのである。
果たして軍配は日本のエースに上がった。同イニングからリリーフ登板した大谷は最速164キロを含む4球連続160キロ超えの4シームで追い込むと、最後はフルカウントから大きく横に曲がるスライダーを投球。これに思わずトラウトのバットも空を切ったのである。
文字通りの頂上決戦で実現した日米球界が誇る至宝同士の真剣勝負には、世界中の野球ファンや関係者から賛辞が続々と寄せられた。そのなかで思わぬ意見を口にした米スポーツ専門局『ESPN』のコメンテーターであるクリス・ルッソ氏だ。
以前から「周囲は大騒ぎしているが、オオタニは何も生み出していない」と何かと大谷に噛みついてきた同氏は、同局の番組「First Take」でWBC決勝で実現したドラマチックなトラウトの対決について、淡々とこう論じたのである。
「驚きの瞬間だって? 何が?彼らはチームメイトだろ? トラウトは三振するしかなかったんじゃないか」
あたかもわざと負けたと言わんばかりの発言には出演者たちも愕然。頭を抱えて言葉を失った。
何を想おうが個人の自由ではある。だが、ルッソ氏の発言が球界の盛り上がりに水を差すものだったのは間違いない。ゆえに彼は“炎上”。多方面から猛烈な批判を受けている。米野球データ専門会社『Codify』が「たとえ冗談で振る舞っていたとしても、これはひどすぎる」と糾弾。さらに米メディア『Barstool Sports』のジャレッド・カラビス記者も「これは史上最悪の野球番組なのは間違いないな」と断じた。
そして極めつけは、今大会にプエルトリコ代表として参戦していた現役メジャーリーガーのマーカス・ストローマン(シカゴ・カブス)だった。以前にもルッソ氏の発言に「こんなマヌケの意見を聞き入れるべきじゃない」と怒っていた31歳は、次のように自身のツイッターに嘆きの声を投稿している。
「トラウトとオオタニは、いまの球界で最高の選手のうちのふたりだ。それなのに俺たちは、このダサいピエロにいつまでもメディアでの発言権を与え続けている。年老いた脳みそで、ひどいウンチクを語っているんだ。実におまぬけだぜ。MLBはいつまで、選手を貶め、無意味なことを叫ぶだけのピエロ野郎に居場所を与え続けるんだよ!」
「MLBがこいつ雇い続け、こいつがやりたいことをやれるプラットフォームを与えている事実はマヌケだ」
辛辣な言葉でもって批判を展開したストローマン。
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