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「大陸誕生」のプロセス再現か?日本で“最近”できた島「西之島」面積が10倍現在も面積拡大中

2023-09-18 08:08:44 | 日記
東京から約1,000km離れた小笠原諸島にある孤島「西之島」。 2013年の噴火で南東の陸地と島が接合して、大きなひとつの島になったことを記憶している人も多いでしょう。 現在の広さは東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを足して3倍にしたくらいという、とてつもなく大きい島なのです。西之島の面積は噴火前0.29平方キロメートルだったのが2017年には2.73平方キロメートル、さらに2019年に2.89平方キロメートルと拡大しました。その結果、「管轄海域」(領海+EEZ)は2017年の改定で50平方キロメートル増、2019年の改定でさらに50平方キロメートル増、合わせて100平方キロメートル増えたというのです。
これは沿岸から12海里(約22km)を主権が及ぶ領海、200海里(約370km)を水産・鉱物資源を排他的に管理できるEEZとする国連海洋法条約に基づいています。
日本の国土面積は約38万平方キロメートルですが、管轄海域は約447万平方キロメートルになります。世界では米国、オーストラリア、インドネシア、ニュージーランド、カナダに次ぐ6位です。島国ならではの海洋大国なのです。
島の現状はどうでしょうか?周辺海域でイソギンチャクやエビ、カニなど70種以上の生物が確認されました。また、ドローンによる空中からの調査では、植物類は見つかりませんでしたが、カツオドリやセグロアジサシなどの鳥が巣すを作っていることが分かりました。
小笠原諸島の西之島の海底および陸上に噴出した溶岩の採取・分析を行った結果、西之島直下のマントルが融解して安山岩質マグマを噴出していることを明らかにしました。
安山岩質マグマは、太陽系で地球にのみ噴出する特異なマグマで、大陸地殻を形成する原料として地球表層の形成に深く関わっています。
この成果は地球における大陸の成因を明らかにするとともに、人間活動の基盤となる陸地を形成するプロセスの解明に向けて重要な役割を果たすことが期待されます。
大陸の平均組成は安山岩である一方、海洋底は玄武岩で形成されています。大陸を形成する安山岩は大陸に特徴的に噴出すると考えられていますが、もともと海洋で被われていた地球でどのように大陸が誕生したのかは、地球科学における大きなジレンマとなっていました。
そのような中、西之島は2013年11月に40年ぶりに噴火し、我々が住む大地がどのように誕生したかを知る手掛かりが得られるのではないか、そのプロセスが「大陸の誕生」を再現している可能性があると注目を集めています。
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