しかし、財務省は年金の国庫負担増を認めていない。厚労省はそれを承知で国民年金が増える
という楽観的な説明をしており、なぜそれが通用するのか、この改革案を時系列で整理すると、
2025年以降8年間で先に厚生年金を減額し、国民年金を増やすための国庫負担増が生じるのは33年以降
になり、いざその時になると、財務省がどうしてもウンと言わないと国民年金の増額は反故にされる事態は
過去の例から見ても十分に考えられます。試算した厚労省に将来の国庫負担について問うも歯切れが悪い。
これまでの政府の年金改革は、目先の年金改革を賄うために【給料天引】きで保険料をかき集めてきた。
今年4月からは、働きながら年金受給する65歳未満の【在職老齢年金】の支給カット基準が緩和されて早期
リタイアを防ぎ、この10月からは【週20時間】以上勤務するパートは厚生年金加入が義務化、【年収130万】
超えるパートも配偶者の扶養族からから外れ、厚生年金等に加入して保険料を支払わなければならなくなった。
60~64歳に加入し働きながら年金受給の場合、給料と年金【報酬比例分】の合計が47万円と大幅に緩和された。
いずれもサラリ-マンを長く働かせ、パ-トなど短時間労働者もどんどん厚生年金に加入させることで、保険料を
稼ごうという目的だ。年金財政から言えば、加入者が増えるほど将来の年金支払いも増える・・・それでも、
【将来の負担をなど考えずに目先の保険料収入】で年金を支払っていく自転車操業そのものといったほういい。
【今や100年安心と言った2004年の年金改革が完全に失敗だったことが分かった。マクロ経済スライドは経済が
成長していくなかで、受給者が気付かないように年金の価値を少しづつ減らしていく仕組みだが、長い期間
日本経済は成長せず、賃金も伸びなかったから機能しなかった。現在の年金制度はとっくに限界を迎えている
それなのに国民年金を厚生年金で穴埋めするというのは、今なお経済成長で賃金が上がり続けることを前提に
した発想、こんなことを続けては早々に、行き詰まるでしょう】
年金博士・社会保険労務士・北村省吾氏・・・経済ジャ-ナリスト萩原博子氏の御両人よるご協力です。
4回に分けての長文記事投函に、皆様のご協力ありがとうございました。