日本の傳統(伝統)を守らう!

皇位繼承問題を主に扱ひます。メル突(場合によっては電突)を實踐(実践)・推奬してゐます。

安寧と豊穣 祈る天皇陛下

2006-01-04 16:51:06 | 皇室・皇位繼承

天皇陛下がどれだけ多忙であるか知らない人達が増へてゐると思はれますので、 産経新聞に載つた記事を転載します。

日本と国民の安寧をこれほどまでに願われ、 祈られてゐる方は天皇陛下以外には居られないと思ひます。

我々国民はもつと天皇陛下や皇室のことを深く知るべきであると考へます。 このブログ・記事を読んだ方は是非周りの人達に天皇陛下や皇室のことをお話し下さい。

皇室典範改正案提出へ 断絶の危機を乗り越え 守られてきた皇位継承
[2006年01月03日 産経新聞東京朝刊]

 ■安寧と豊穣 祈る天皇

 天皇陛下は土曜、日曜もないほど多忙な日々を送られている。憲法に定められた国事行為をはじめとするさまざまな公務のほか、年間約二十件の宮中祭祀を執り行われている。(論説委員室)

 ≪国事行為≫

 主な国事行為は(1)内閣総理大臣の任命(2)最高裁判所長官の任命(3)法律、政令、条約の公布(4)国会の召集(5)衆議院の解散(6)総選挙の公 示(7)国務大臣ら認証官の任免、大使、公使の信任状の認証(8)栄典の授与(9)外交文書の認証(10)外国の大使、公使の接受-などだ。

 これらの事項に関する閣議決定の書類が毎回、閣議後に天皇のもとに届けられ、天皇はこれに署名・押印される。その数は平成十六年中で約 千百件に上った。国事行為に関連し、宮殿では、内閣総理大臣・最高裁長官の親任式、認証官任命式、外国特命全権大使の信任状捧呈式、勲章親授式などが行わ れる。

 親授式には、春と秋に行われる大綬章等勲章親授式と、十一月三日の文化の日に行われる文化勲章親授式がある。

 ≪国事行為以外の公務≫

 国事行為以外のご公務としては、新年一般参賀、講書始の儀、歌会始の儀、天皇誕生日祝賀、園遊会などがある。

 このほか、国賓として来日した外国の元首や王族とのご会見、外国の首相、大使らに対するご引見(謁見)、拝謁、宮中晩餐、宮中午餐などの行事が行われる。

 都内へのお出ましには、全国戦没者追悼式、日本学士院授賞式、日本芸術院授賞式、日本国際賞授賞式、国際生物学賞授賞式などがある。地方には、全国植樹祭、国民体育大会秋季大会、全国豊かな海づくり大会などに出席される。

 また、雲仙・普賢岳噴火(平成三年)、北海道南西沖地震(五年)、阪神・淡路大震災(七年)、新潟県中越地震(十六年)のさいは、現地に赴き、被災者らを励まされた。

 アジアや欧米などの外国にも、しばしば公式訪問された。

 広島、長崎、沖縄、サイパンなどでも、戦没者を慰霊された。靖国神社ご参拝は、昭和五十年に昭和天皇が参拝されて以来、途絶えている。

 ≪宮中祭祀≫

 宮中祭祀は、天皇が国民のため、皇室の祖先である天照大神をはじめ、歴代の皇霊、八百万(やおよろず)の神々に国家安泰や五穀豊穣を祈願 する儀式である。天皇自らが祭典を行い、御告文(おつげぶみ)を奏上される大祭と、掌典長が祭典を行い、天皇が拝礼される小祭がある。今上天皇は昭和天皇 にならい、厳格に心を込めて祭祀を執り行われている。

 ■四方拝(1月1日)

 早朝に神嘉殿南庭で、天皇が伊勢神宮、山陵、四方の神々を遥拝される年中最初の行事。

 ■歳旦祭(1月1日、小祭)

 早朝に宮中三殿(賢所、皇霊殿、神殿)で行われる年始の祭典。

 ■元始祭(げんしさい)(1月3日、大祭)

 年始にあたり、三殿で、天皇が皇位の大本と由来を祝し、国家国民の繁栄を祈られる。

 ■奏事始(1月4日)

 年始にあたり、掌典長が伊勢神宮と宮中祭祀のことを天皇に申し上げる行事。

 ■昭和天皇祭(1月7日、大祭)

 昭和天皇が崩御された日に皇霊殿と陵所で行われる。

 ■孝明天皇例祭(1月30日、小祭)

 孝明天皇が崩御された日に皇霊殿と陵所で行われる。

 ■祈年祭(2月17日、小祭)

 三殿で行われる五穀豊穣祈願の祭典。

 ■春季皇霊祭(春分の日、大祭)

 皇霊殿で行われる先祖祭。

 ■春季神殿祭(春分の日、大祭)

 神殿で行われる神恩感謝の祭典。

 ■神武天皇祭(4月3日、大祭)

 神武天皇が崩御された日に皇霊殿と陵所で行われる。

 ■皇霊殿御神楽(4月3日)

 神武天皇祭の夜、特にお神楽を奉奏して神霊を慰める祭典。

 ■香淳皇后例祭(6月16日、小祭)

 香淳皇后が崩御された日に皇霊殿と陵所で行われる。

 ■節折(よおり)(6月30日)

 天皇のために行われるお祓いの行事。

 ■大祓(おおはらい)(6月30日)

 神嘉殿の前で、皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事。

 ■明治天皇例祭(7月30日、小祭)

 明治天皇が崩御された日に皇霊殿と陵所で行われる。

 ■秋季皇霊祭(秋分の日、大祭)

 皇霊殿で行われる先祖祭。

 ■秋季神殿祭(秋分の日、大祭)

 神殿で行われる神恩感謝の祭典。

 ■神嘗祭(かんなめさい)(10月17日、大祭)

 賢所に新穀をお供えになる神恩感謝の祭典。この朝、天皇は神嘉殿で伊勢神宮を遥拝される。

 ■新嘗祭(にいなめさい)(11月23日、大祭)

 天皇が神嘉殿で新穀を皇祖はじめ神々に供えられ、神恩に感謝された後、天皇自らもお召し上がりになる最も重要な祭典。天皇自らがつくられた新穀もお供えになる。

 ■賢所御神楽(12月中旬、小祭)

 夕刻から賢所でお神楽を奉奏して神霊を慰める祭典。

 ■天長祭(12月23日、小祭)

 天皇のお誕生日を祝して三殿で行われる祭典。

 ■大正天皇例祭(12月25日、小祭)

 大正天皇が崩御された日に皇霊殿と陵所で行われる。

 ■節折(12月31日)

 天皇のために行われるお祓いの行事。

 ■大祓(12月31日)

 神嘉殿の前で、皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事。

 このほか、皇位継承に伴う一世に一度の最も重要な儀式として、即位後最初の新嘗祭にあたる大嘗祭(だいじょうさい)がある。天皇が新穀を天照大神と八百万の神にお供えし、自らもお召し上がりになり、国家・国民の安寧と五穀豊穣に感謝し、それを祈念される。

 研究者の間では、穀霊が女性であることなどから、女帝は新嘗祭や大嘗祭を行うのは困難だとする見方もある。だが、政府の「皇室典範に関す る有識者会議」は、七世紀の持統天皇以降、大嘗祭が中断されていた時期(十六世紀初めから十七世紀後半まで)の明正天皇を除き、大嘗祭が行われたことが確 認できるとしている。

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 ≪旧皇族はいま 独身男子11人≫

 終戦後の昭和二十二年、秩父、高松、三笠の三直宮家を除く次の十一宮家が臣籍降下した。

 伏見、山階、久邇、賀陽、朝香、東久邇、北白川、竹田、閑院、東伏見、梨本。

 皇室を財閥とみなしたGHQ(連合国軍総司令部)が皇室財産を国庫に帰属させるなど徹底した封じ込めを図り、皇族の共倒れを救うため、やむを得ず臣籍降下が行われたとされる。

 一時金は支給されたものの、生活は苦難を強いられた。香水の製造販売に乗り出したり、新興宗教の教祖になった元宮様もいたが、事業に失敗したケースが多い。

 後嗣に恵まれず絶えた家もあるが、多くは民間会社や団体役員などを務め、家を維持している。

 久邇家の現当主、邦昭氏は神社本庁統理で、北白川家の当主、道久氏は伊勢神宮大宮司である。

 竹田家の恒和氏は日本オリンピック委員会(JOC)会長だ。恒和氏の長男、恒泰氏は昨年暮れ、男系継承の意味や皇族の役割をまとめた『語られなかった皇族たちの真実』を刊行した。

 皇籍離脱した男子皇族は二十六人で、うち十四人が健在だ。皇籍離脱後に生まれた男子の子孫は三十四人で、うち独身が十一人(小学生以下が三人)いる。

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【用語解説】宮中三殿

 皇居内吹上御苑の東南にある賢所(かしこどころ)、皇霊殿、神殿の総称。宮中祭祀は主としてここと各地の山陵で行われる。

 賢所は皇祖神である天照大神をおまつりし、三殿中で最も尊い御殿とされる。皇霊殿は、神武天皇から昭和天皇まで百二十四代の天皇や皇后、皇族をおまつりしている。神殿には、八神(天皇の守護神である八柱の神)、天神地祇(天つ神、国つ神)がまつられている。

 三殿に付属して神嘉殿(しんかでん)、神楽舎、綾綺殿(りょうきでん)、奏楽舎、幄舎(あくしゃ)などの建物がある。

【写真説明】 即位礼正殿の儀で、即位を宣言される天皇陛下=平成2年11月12日、皇居・宮殿(松の間)(宮内庁撮影) 秋の園遊会で、招待客に歩み寄られる天皇、皇后両陛下と皇族方=平成17年10月27日、東京都港区元赤坂の赤坂御苑