▲現在の電通と共同通信の母体となる満州国通信社を作った【阿片王・満州のド
ン】里見 甫彗星(中年)
2007/08/02 るいネット
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=158118
人生のセイムスケール(リンク)に里見甫(さとみはじめ)【満州のドン/「阿
片王」】(明治29~昭和40)の経歴が紹介されています。
通信社の歴史は、当時の満州国までさかのぼることになります。里見は、児玉誉
士夫、笹川良一、岸信介(安倍現首相の祖父)ともつながり、現在の安 倍晋三
の安倍家の人脈・金脈につながっている歴史上重要な人物と思われ掲載させてい
ただきます。
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秋田県の能代で生まれ、父親は元陸軍軍医。福岡の名門・修鄭館中学、当時超エ
リート高であった上海の東和同文書院を経て、中国で新聞記者になる。
やがて日本軍に見込まれ、上海・宏済善堂で阿片売買を任される。満州や中国で
の日本軍の機密資金を捻出する。戦後は隠遁生活に入り、1965年3 月に死去。
中国に進出した日本陸軍の軍資金の一端は阿片の売買で賄われた。その中心的人
物が阿片王と呼ばれた里見甫。米進駐軍の取調べを軸に、日本陸軍の中 国大陸
で犯した罪が明らかになった。
「満州には、「戦後」の核心が眠っている―。策謀渦巻く満州帝国で、最も危険
な阿片密売を平然と仕切って巨額の資金を生み出した里見甫。その謎に 満ちた
生涯を克明に掘り起こし、麻薬と金に群がった軍人、政治家、女たちの欲望劇を
活写する。今まで誰も解明できなかった王道楽士の最深部を抉り 出した、最高
傑作!」。
「里見甫という名前を聞いても、「阿片王」とも称せられ、満州のドンとして君
臨していたと知る人はいまや希有であろう。これは里見の身の処し方に も関連
している。戦後、里見は満州時代に培った人脈で政財界などで権勢を振える立場
にいたが、一介の市民として生涯を全うした。
里見は満州国営通信社を設立。その後、日中戦争勃発を契機に阿片の取り引きに
従事し、日本軍の資金調達の一翼を担った。「阿片王」という異名をも つほど
の実権をにぎったが、戦後は、みずから野に下った。本書はその生涯を描いたノ
ンフィクション・ノベルである。巻末に掲載された参考資料も昭 和史に関心が
ある向きには役に立つ。里見の人生をイメージするには、里見の墓石に記された
墓碑銘を繰り返し読むとよい。
<凡俗に墜ちて 凡俗を超え 名利を追って 名利を絶つ 流れに従って 波を
掲げ 其の逝く処を知らず>
この墓碑銘から、里見の生き方が察せられよう。虚名を欲するのは、ある種の人
間にとっては本能に近い。自己責任といえばそれまでだが、分をわきま えず不
相応な挙に出て身を持ち崩す人間がいかに多いことか。成功ノウハウのたぐいが
セミナーや書籍で過剰供給される時世だが、いかなるノウハウ も、およそ当人
の器量に結実のすべてがかかっているといってもよい。里見の生涯は器量の何た
るかを見つめ直すひとつのテキストであろう」。
「満州の邦字新聞の記者として軍人や中国の要人との人脈を築き、満州事変後は
関東軍第四課の嘱託として対外宣伝と宣撫工作を担いながら、現在の電 通と共
同通信の母体となる満州国通信社を設立。中国の裏社会に通じた里見は軍の密命
を受けて上海で阿片販売のボスとして君臨した。関東軍の財源は 阿片に依存し
ており、阿片の産地を求めるように日中戦争の戦線は拡大されていった。
数十万人の中国人を阿片で廃人に貶めた「20世紀の阿片戦争」でもあったわけ
だ。天皇も懸念していたというし国際的な非難を避けるためにも、関東 軍はこ
うした汚れ仕事を里見甫などに任せ、憲兵や特務機関員を介在させて資金を吸い
上げていった。関東軍の意を体したもう一人の汚れ役としては、 大杉栄を暗殺
した甘粕正彦が隠然たる権勢をふるっていたという。里見は阿片によって得た莫
大な利益の半分を蒋介石側に、残りの半分を日本側の傀儡 であった汪兆銘と関
東軍に上納していたという。
なんともスケールの大きな話だが、阿片マネーのもとには児玉誉士夫、笹川良一
といった有象無象も群がっていた。そもそも阿片の利用価値を認識した うえで
侵攻の指揮をとったのは東条英樹だし、「満州は私の作品」と豪語する岸信介は
経済相としてグランドデザインを描いていたという。さらに里見 の秘書役を務
めた旅館の女将がラストエンペラー溥儀をかくまったというから、キャストは豪
華絢爛だ」。
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阿片王・満州のドンと言われる【里見甫】。当時の満州国を支配下に置き、阿片
で資金調達に君臨し、現在の電通と共同通信社の母体となる満州国通信 社を設
立している。この通信社は明らかに国策通信社である。
阿片マネーの児玉誉士夫、笹川良一、阿片を利用し戦争指揮をとったのは東条英
樹、「満州は私の作品」と豪語する岸信介との歴史は、消しても消せな いもの
なのだろう。
(転載終り)