格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

邦人人質事件下での安倍首相ISIS挑発の理由

2015-01-21 18:28:04 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


邦人人質事件下での安倍首相ISIS挑発の理由




中東を訪問中の安倍晋三首相は1月17日、エジプトで開かれた


「日エジプト経済合同委員会」


で中東政策についてスピーチした。


このなかで、安倍首相はこう述べた。


「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。


地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」


http://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/eg/page24_000392.html


2億ドルの支援について、安倍首相は


「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」


と述べた。


イスラム国(ISIL)による、邦人2名の殺害予告が発せられたのは、この直後である。


邦人の湯川遥菜(はるな)さんと後藤健二さんがISILに拘束されているなかで、


「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」


と演説をしたのだからISILが強硬な姿勢に出てくることは想定の範囲内の対応である。


日本政府は後藤健二さんがISILに拘束されているとの情報をすでに入手していたと見られ、2名の邦人がISILに拘束されているなかで、対応策を取ることを迫られ続けてきた。

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ISILによる邦人2名の殺害予告が発せられ、日本政府は厳しい対応を迫られているが、政府対応の基本方針として、二つのことがらが提示されている。


ひとつは、


「人命第一での対応」、


いまひとつは、


「テロに屈せず」


である。


どちらももっともな方針に見えるが、問題は、この二つの方針自体に矛盾をはらむことだ。


「テロに屈せず」の方針は「人命第一」に反する側面がある。


逆に、


「人命第一」は「テロに屈せず」に反する側面を伴う可能性を秘める。


したがって、日本政府は、最終的にいずれかの立場を明確にしなければならなくなる。


メディアの論調は三つに分かれている。


「テロに屈するな」


の主張が見られる一方で、


「人命第一で対応せよ」


の主張が見られるが、


これ以外に、


「「人命第一」の対応が必要だが、併せて「テロに屈する」べきではない」


との主張が見られる。


三つ目の主張には、判断が示されていない。


曖昧な判断である。

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日本政府が「人命第一」の対応を取るのなら、エジプトでの演説は極めて不適切であった。


ISILに邦人が人質で取られているときに、


「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」


と宣言することは、ISILに宣戦布告するようなものである。


今回の事態を意図的に引き起こしたとの批判を免れぬものである。


最終的に邦人が犠牲になることを通じて、「テロとの闘い」を前面に押し立てて、ISILに対する軍事攻撃を展開する米国軍に日本軍が加担するような図式が描かれているとの憶測が浮上しかねない。

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そもそも、ISILの誕生の背景には、


サイクス・ピコ協定という、欧米帝国主義による世界支配の構図に対するイスラム陣営の反発があることを見落とせない。


サイクス・ピコ協定による国境線は人工的に引かれたもので、不自然なものである。


残忍な行為は断じて是認されないが、近代以降の欧米および日本による世界進出、帝国主義自体が、暴虐性と残忍性を伴っていたことを見落とせない。


今回の問題に対して、日本政府は「テロに屈せず」ではなく「人命第一」で対応することを明確に示すべきである。







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政権交代実現民主党を破壊し尽した岡田克也氏

2015-01-21 18:13:34 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


政権交代実現民主党を破壊し尽した岡田克也氏




日本の政治が歪んでいる最大の象徴は、安倍政権の基盤が脆弱であること。


なにしろ、総選挙の比例代表選挙での得票率(全有権者に対する得票の比率=絶対得票率)が25%にも満たない自公の連立与党が衆議院議席全体の68%を占有した。


議会が民意を正しく反映していないのだ。


理由の一つは、小選挙区制の特性で、政党の側が小選挙区制の特性を踏まえた選挙戦術を採らないと、有権者の投票の多くが死票になる。


もともと、小選挙区制は選挙区での当選者を一人とする制度であるから、多くの死票を生み出す宿命を背負っている。


だが、その一方で、政権交代を引き起こしやすいという特性も備える。


当選者が一人しか出ないのだから、多党が候補者を乱立させれば、当選は覚束ない。


選挙をやる前から、死票になることを前提に選挙活動を展開する政党さえ登場しかねない。


死票を減らし、かつ、政権交代を目指すなら、ときの政権与党に対峙する政治勢力が徹底的に候補者を絞り込むことが必要になる


この点への対応が極めて遅れている。


もう一つの理由は、多数の主権者の意思をくみ取る政党が不在になっていることだ。


投票率が著しく低下してしまっているのは、このためである。


政治に関心がなくて選挙に行かないのではない。


自分の考えをしっかりと受け止める、信頼を置ける政党が不在になってしまっていることが、低投票率の最大の原因である。

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私たちは2009年の政権交代実現の原点に回帰する必要がある。


2009年の政権交代とは、敗戦から65年の時間が経過するなかで、日本政治の基本構造を根本から変革しようとするものだった。


米官業の既得権勢力が支配する日本政治を


主権者が支配する日本政治に変革する。


これが政権交代に託された意味であった。


この政権交代の偉業を成就させた二人のリーダーが小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏だった


米官業による日本政治支配の構造を転換するための具体策も明示された。


1.官僚天下りを根絶すること


2.普天間移設先を県外、国外とすること


3.企業団体献金を全面禁止すること


まさに画期的な方針が示された。


この基本方針が確実に実行されていたなら、日本の歴史はまったく新しい次元に移行していたはずである。


2006年に小沢一郎氏が民主党代表に就任した瞬間から民主党の大躍進が始まった。


小沢代表の下で民主党は2007年参院選に大勝した。この参院選の結果、参院では民主党が第一党の地位に躍り出たのである。


そして、2009年の総選挙で民主党が大勝し、政権交代の偉業を成就した。


この選挙での民主党の比例代表選挙絶対得票率は29.1%だった。


今回総選挙での自民党得票率17.4%の2倍近い得票だったのである。


そして、2010年の参院選で民主党が勝利を重ねていれば、この時点で衆参ねじれは解消し、民主党を軸とする政権による日本政治刷新が本格的に進展したと考えられる。


ところが、民主党は、あと一歩のところで状況を転覆された。


日本の既得権勢力が、目的のためには手段を問わない猛攻撃を展開したからである。


その既得権益勢力の手先は、民主党内にも潜んでいた。


その中心人物の一人が岡田克也氏である。


民主党を破壊した張本人が、民主党代表に返り咲いたのであるから、これは悲喜劇である。

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岡田克也氏は、鳩山首相が推進しようとした普天間の県外・国外移設の方針を徹底的に妨害した。


外相に起用された岡田氏は鳩山首相のために仕事をしたのではなく、米国と密通して、普天間の国外・県外移設を阻止するために力を注いだのである。


そして、「シロアリ退治なく消費税増税を認めない」とした鳩山元首相の方針を全面的に攻撃したのが岡田克也氏である。


岡田氏は、官僚が所管業界企業幹部に天下りすることを、憲法が保障した職業選択の自由だとうそぶいて、官僚天下り利権を徹底擁護し続けている。


そして、企業団体献金の全面禁止に背を向け続けているのも、岡田克也氏である。


この岡田克也氏が民主党代表に就任した以上、民主党は確実に臨終に向かう。


2015年1月18日は、民主党の実質的な終末の始動日として、後世に記憶されることになるのだろう。







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