六月を奇麗な風の吹くことよ
子規
紫陽花の 末一色となりにけり 小林一茶
雨あがりの街 青葉光る六月
虹の橋きらめく
雨あがりの空に虹が美しい季節。
朝は西、夕方は東の空に現れる。
あじさい 金井 直
また季節はめぐりきて うすむらさきのほほえみはよみがえる
あなたは思い出 いつみても懐かしい
いつまでもあなたのそばにいると あなたの色が沁みこんでくるようだ
かけがえのない愛の色よ あなたの繁みの奥に こころのゆりかごを静かにゆり動かす手がある
あなたの蔭に「時」のない影がある
だがもう あなたの芯から名前は生れではしても むかしのあなたではない
あの日のいのちとともにうすれて いつか消えてしまった ただひとたびの美しさよ
いまあなたにくまどられながら じっとあなたをみつめていると 眼が痛くなり
眼を閉じると 急にまわりが広くなる
遠いものは近くなり 近いものは遠くなる
あなたの中に私が在るのか 私の中にあなたが在るのか わからなくなる
そして 人というものが哀しくなってくる