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Entrance for Studies in Finance

温泉事業の成功率について

まず温泉掘削はどの程度成功するものだろうか。
掘削成功率はどの程度か
 以下のブログは掘削の許可件数に対して、温泉数の増加を調べるという方法で成功率(失敗率)を求めている。
 このブログによれば成功率は大体半分で意外に厳しい数字である。
 少し古い話としては1988年の竹下内閣時にふるさと創生事業で各地の自治体が温泉事業に取り組んだ結果という
話がある。長野県では38の自治体が温泉事業に取り組んだもののうち10の自治体は失敗に終わったという。
 温泉にには、源泉温度(25°以上)と指定成分の含有率という要件がある。
 つまり温泉が出たと称するには地下水が湧き出せばいいとはいえないということだ。

掘削失敗の事例 立正大学の温泉掘削失敗(埼玉県熊谷市 2005年-2007年)
 掘削の失敗はあまり表面化しないので 2007年に表面化した立正大学の温泉掘削失敗はとても目立つ。
 場所は埼玉県熊谷市。掘削許可が2005年2月。終了の届けが2007年5月。1500m 掘削経費は7000万円ほど(2006年7月から5ケ月
掘削とのこと 一月で300Mというペースだろうか。)。
 これにより温泉療法を学ぶための新学科構想が立ち消えになったとされる。
 あまりにも掘削場所を大学の都合で決めすぎたのか、あるいは事前調査が不十分だったのか。失敗の理由は明らかではないが
 温泉掘削のリスクの大きさを示すものとして貴重な教訓とされるべきだろう。
 なおこの翌年(2008年)だが立正大学が資金運用で巨額の含み損を抱えていることが明らかになった。温泉掘削でお金を減らした一件とこの巨額含み損とは別個の問題ではあるが、2007年2008年と立正大学で事件が連続したこと(あるいは1996年社会福祉学部 1998年地球環境科学部 2002年心理学部 各設置と急テンポの拡大路線を続けていること)は、外から見ていると関連性があるようで気になるところだ。

必要な湧出量、持続性 温泉偽装問題(2004年)
 なお掘削の成功率には注釈が必要で、経済的採算という点の問題がある。
 経済的には湧出量が毎分30Lは欲しいという話がある。仮に温泉がでてもあまりに湧出量が少ないと採算が合わないということである。
 ということはこの湧出量が続くかどうか。また温泉の質が維持されるかという問題もある
 湧出量が変化して減ってしまうとか、水質が変化して客離れが起きるなるなどの問題もときどき伝えられる。
白骨温泉の場合も、看板となる白濁が消えてしまったので入浴剤を使用するようになったというもの(泉質が変化したともいえる)。しかし一旦使用を始めれば、温泉の泉質は全く入浴剤でコントロールされる状態になる。
また経営として成功するには、立地・アクセス方法の確保 施設の設計・運営でのノウハウなど温泉以外の面も必要である。

事故など安全管理 火災事故(北区浮間 2005年2月) 爆発死傷事故(渋谷区松濤 2007年6月) レジオネラ菌騒動(2002年)
 また事故も考慮されていいかもしれない。2005年2月10日に北区浮間の温泉掘削現場で起きた天然ガスの火災事故は有名なケースだ。
その後、北区浮間での温浴施設開業の話は見当たらないので、この開発事業はこの事故で頓挫したのだろう。
 また2007年6月19日に渋谷区松濤の温泉温浴施設で今度は爆発事故が起きて、死者3人を出す事件が起きてこの施設は閉鎖された。問題の施設は松濤シェスパといい、女性専用というコンセプトは新しく注目もされていた。2006年1月に開業。事故のあと営業停止。2007年8月末に正式に閉鎖された。
 このほか衛生面の管理の問題もある。
 この点で2002年に宮崎県をはじめとする各地の温泉施設でレジオネラ菌の繁殖が見つかったことは貴重な教訓である。その後、こうした事件は忘れられた感があるが、循環式の温泉とか、ジェットバスなどが、レジオネラ菌の繁殖とそれを吸引する原因になることが、当時指摘されたことをここで想起しておくことが必要である。温泉でかけ流しが求められるのは、衛生的にもそれが望ましいからである。
 事故のあと、掘削・営業の再開はいずれも困難になっている。こうした事故を起こせば、事業の継続は困難になる。

下水道料金をめぐる不正(2010年6月)
2010年3月に閉鎖された古代蓮物語(埼玉県行田市)の閉鎖理由として、2010年6月頃から報道されているのは、下水道料金をめぐる不正。限水道料金算定の基礎になる揚水量をごまかすため、メーターに流れるものとは別の配水管が設置されていたことが分かったというもの。施設管理会社自身が届け出ているところから、誰が不正の当事者なのかは、不透明となっている。問題はこのような事件があると、同様の不正の疑いがほかの業者にもかかるということである。


originally appeared in April 6, 2011
corrected and reposted in December 25, 2011






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