Entrance for Studies in Finance

アップルの成功の読み方

iPod ウインドウズ対応で成功
2001年発売iPodの成功。1984年のマックが復活。iPodは、ウインドウズに対応したことと高性能機の継続投入で人気の維持拡大した。その成功で音楽ソフト配信(iTS: i(TuneStore)でも稼ぐ。知名度の向上とともに使いやすいソフトで再びPCも売れるように。

iTSでも稼ぐ
音楽はCDから配信に移行。日本ではなおCD市場が一定の大きさ保つ(ただしCD市場は97-98年をピークに縮小)。CDアルバムでみれば音楽配信に対し8-2。しかしシングル市場だけみれば06年には音楽配信に抜かれている。海外ではこの移行が急テンポで進む。国際的にはこの配信市場でアップルが大きな存在に(iTS: iTunesStore)。背景にはiPodの市場占有率の高さ(米国で携帯音楽プレーヤーの7割)。日本では携帯電話が音楽配信市場を牽引してきた点が違う。

iPhoneの成功 safariもウインドウズ対応で伸ばす戦略
アップルはiPhone 3Gでも成功。iPodを兼ね備えた携帯電話。入力はタッチパネル式(iPod Touch)。2007年6月29日米国で販売開始。タッチパネル。高速画像処理。日本では2008年7月11日ソフトバンクモバイルが独占販売(NTTドコモはiPhone獲得競争で粘ったが最終的に敗れる)。このiPhoneに標準搭載されたアップルの閲覧ソフトがサファリ。アップルはこのサファリを、ウインドウズでも利用できるように改良した上で無償配布を始めた(2007年6月11日試験配布。正式配布は2007年10月から)

背景には閲覧ソフトを通じて市場での存在感を高める意図があるのではないだろうか。

ところで3Gについては様々な不都合が報告された。突然のフリーズ。アプリケーションの終了など。高機能に比べてメモリー不足?などの批判もあった。そしてこうした批判に対応するかのように3G Sが2009年に発売された。

3G S 2009年6月8日
(米国ではAT&Tが独占販売。日本ではソフトバンクが発売。日本国内は6月26日)。データ処理能力、保存容量2倍の「3G S」を1年前の3Gの価格で発売開始。3Gは半値にして販売継続。アップルがおこなっている発想は、顧客が望む商品を作る点。
 iPodにしてもSafariにしても、市場標準のウインドウズ対応を行った点でアップルの賢明さが感じられる。ウインドウズ(マイクロソフト社MS社)のエクスプローラ(Internet Explora:IE)はブラウザー市場の6-7割を占めており、独占禁止法の観点からも注目されてきた。欧州委員会では競合社のブラウザーを組み込むことを命令することを検討しているとの報道(09年5月30日)のあと、MS社が次期OSのウインドウズ7にブラウザーを組み込まずに発売との発表(09年6月11日)が続いた。 

Safari4 2009年6月9日 
アップルが新型インターネットブラウザー「サファリ4」の無償配布開始。読み込む速度が速い。
エクスプローラを展開するMSはすでに2009年3月に最新ブラウザー(エイクスプローラ8)の無償配布開始していたが、独占禁止法問題から次期OSであるウインドウズ7(MS社が2006年末に販売を開始し2007年1月に一般販売を開始した現行OSのビスタは極めて人気がないことはよく知られている)にブラウザーを組み込まない方針を発表している(2009年6月11日)。

閲覧ソフト(ブラウザー)の状況。
explorerエクスプローラ8(Micro Soft)。
mozilla fireforexモジラファイアフォレックス(エクスプローラに対抗 かつてMSに敗れたネットスケープの技術者が開発)
safariサファリ(アップルApple Safari)。
Chromeクローム(グーグルGoogle Chrome)。

アップルは再び成功するか
i-Pod(初代発売開始2001)の販売が失速する一方(08年9月9日に薄い新型であるiPod nanoを発売している)、3GSを得たiPhoneの販売は急伸。ネックはPCにあるのではないか。PCはiPodの成功で一時は販売伸びていたがNote Bookの低価格化が進行している。しかしMacはデザイン、性能を重視して高価格路線をとってきた。MacBookの販売が今後も好調を維持するかは未知数だろう。高価格路線で走ってきたappleのPCは新しい戦略を必要としているのかもしれない。

任天堂とSCE
Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.
Originally appeared in June 24, 2009.

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