Entrance for Studies in Finance

新規公開株価の決定 book building method

1997年8月までの入札方式(一部の投資家の思惑で公募価格が跳ね上がる問題があった)
        ↓
そこでブックビルデイング方式(需要積み上げ方式)が1997年9月に導入された。その後現在まで使われている(資料:日本経済新聞 2006年9月1日, 2007年7月27日ほか)。
以下のうち、新規公開株式の算定手続きに直接関係するのは1)から4)まで。

1)主幹事証券による理論株価算出(一般には開示されない)
上場承認後
2)企業による想定発行価格(見込み価格)の発表(目論見書と同時)
  理論株価から2-3割引いた水準にする
3)価格幅のある仮条件(●万円以上○万円以下)を主幹事証券が決める。
  企業・幹事証券は機関投資家をたずね妥当な株価を提示してもらう。
  この外部意見を反映したもので幅をもたせてある
4)公募売り出し価格
 仮条件を提示された個人投資家が申告した数値(いくらの株価でどれぐらいの株数を購入したいか申告→ブックビルディング⇒ここで誰にどのような手段で実施するかは不透明という批判がある)から決定する。入手したい人が多いと上限に張り付く(仮条件の上限が公募価格になりやすい)。これをベースに企業と幹事証券で協議決定する。
 IPO(intial public offering新規株式公開)ディスカウント 理論価格fair valueから価格変動リスクなどを差し引く割引幅を指す。通常は2割ていど。新規公開時の株価は主幹事証券が一定の値幅の仮価格を提示し、投資家の応募状況により最終的に決定している。
価格の上昇余地をわざと作って、応募の環境をつくっているともいえるし、入手できる情報の差がこうした価格差を生み出すともいえる。
5)初値(上場後、最初に成立する売買値段のこと)

公募価格と初値の違いはその銘柄の人気を示す
初値が公募売り出し価格をしたわまる=負ける 2007年後半から初値の公開価格割れ続出
初値天井 初値は公募価格 売出価格を上回るがしかし初値が天井になる(これが多いとされる)

上場した会社の株価が上場後 下がり続けるとしたら
 既存株主の出口戦略が優先されしすぎている
  例 売り出し株数が多すぎる(持ち株の売却が優先されている)
    余りに多い新規上場 
    準備不十分な企業の上場(粉飾決算)

マザーズが新たな上場廃止基準を導入する(2009年11月)
上場後3年以内 株価が基準(公開価格)の1割未満の状況が9ケ月続く⇒上場廃止というもの。高い公開株価ではなく実力相応の株価を求めることを促す意義がある。
 相応の株価となることで過剰な資金を集めずにすみ不必要な投資を避けることができる。ただし創業者利得は小さくなる。また上場後の緊張感は高くなる。
2010年の上場について

Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.
originally appeared in June 6, 2010
corrected and reposted in January, 2011

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