原作名:魔法先生ネギま!
作者:てぃしぃ
最終更新日:2011年11月16日 完結済
評価:C
サイト:にじファン ハーメルン
http://ncode.syosetu.com/n3257x/
http://syosetu.org/Novel/6905/
[あらすじ]
かなりバカバカしい不運の連続で事故死。死後、神様から特典の特殊能力と、それらを使いこなす知識をもらい、ネギま原作の平行世界に転生。
しかし転生早々にまたしても不運。
家族は東西いずれにも所属しない独自の魔法体系の一族。父親は関西呪術協会の陰陽師達に殺害され、母親も後を追うように病死。一族に伝わる秘伝書も近右衛門に取り上げられてのマイナスからのスタート。
それでも自分の将来の安寧と趣味のため、もらった能力を駆使して色々と開発。原作ブレイクをしていく。
[文章]
主人公の一人称視点で固定。一度だけ明日菜視点があったけれど、視点移動は慣れていないのか、その部分は読み辛かった。
脱字をたまに見かけてしまい、それが読み進めるのに躓く原因になってしまったのが残念。
[総評]
Arcadiaで連載を始め、途中のストーリーで叩かれたため『にじファン』に移動した作品。確かにその部分では眉をひそめさせられたし、感想で色々と叩かれていたから、消えたものと一時諦めていた。その後『ハーメルン』にて復活と、サイトを転々とした作品。
事故で死亡。神様から転生するよう言われ、チート能力をもらって原作世界へ。最早二次SSのテンプレと言う程、良くある出だしのパターン。神様からチートな能力をもらって転生するのは構わないから、そろそろ物語の始まりを、死後の世界から始めるのは止めてほしい今日この頃。
もらった能力はかなり特殊。医療や食、工学関係に特化した能力で、戦闘力はほぼ皆無。そのため戦闘は自力開発した強化服を使用。もっとも戦闘以外での能力が突出しているので、自分から戦うのは本当に手段がない時。その能力の高さは、タカミチが護衛に派遣されるVIP待遇で証明済。
自身の将来の平穏のために色々と画策してみれば、中等部に上がるまでに主な原作キャラが自陣営に。さらに超を加え、文字通り「混ぜるな危険」な化学反応を起こしてしまえば、後は野となれ山となれ。
突っ走った先にある結末は、読んでみてのお楽しみ。
原作名:オリジナル
作者:ワタナベ 渡辺 恒彦
最終更新日:2011年10月8日 2012年9月30日
評価:B
サイト:小説家になろう
http://ncode.syosetu.com/n3406u/
[あらすじ]
月平均残業時間が150時間の半ブラック企業に勤める山井善治郎(やまいぜんじろう)は、半年ぶりの二連休を満喫しようとしていた。コンビニで弁当とお茶を買い、その帰り道、気が付けばいつの間にか異世界。
「ようこそ婿殿」
出迎えたのは、小麦色の肌の長身の美女。
話を聞けば彼女はこの国の女王で、王家の魔力を次代に継承するために結婚してほしい、との事。善治郎の何代か前の先祖が、どうもこの王家ゆかりの血筋だったらしい。
帰れば半ブラック企業で残業の日々、残れば美人の奥さんと一応の王位。しかも王の仕事などせず、後宮に引きこもってもらいたいのが彼女の本心。いわゆるヒモ。
将来を天秤にかけ、あっさりと異世界での結婚を承諾。
婿入り道具として善治郎の持ち込んだ文明の利器は、異世界の文明では当然カルチャーショックな訳で。その反対に善治郎も色々とカルチャーショックを受け。
文化も社会も技術力も異なる二つの世界の新婚の新郎新婦が、驚いたり苦労したり、それでもイチャイチャだけは忘れない物語。
[文章]
小説は書き慣れているのかな? 視点の目移りする一人称でなく、きっちりと三人称でまとめ上げている。導入が少し長すぎた感のあるものの、ついつい引き込まれてしまった。
数話から成る章構成も良い。各章の終わりで一応の締めを付けている。だらだらと冗長していないので、読むのに苦痛を感じない。
[総評]
異世界召喚物。ただし召喚の理由は、世界を救う勇者でも、人類を滅ぼす魔王でも、召喚魔法の実験でも、使い魔召喚でもない。王家の魔力を残せるほどに血筋の濃い種馬。勿論、そのものの意味で。政治に口を出されちゃ困ります。
そんな奥さんの事情を理解し、なるべく後宮でのんべんだらりとしたい主人公だけれど、馴れない環境と持ち込んだ技術の産物は、それなりに人目を惹く様子。本当に何もせずにだらだら過ごせる日は……多分来ないだろうな。
一国を率いる奥さんと、縁の下のさらに下で力持ち的な旦那の、ちょっと政治的な駆け引きもあるけれど、基本まったりの物語。
[2012年11月19日追記]
書籍化されました。遅ればせながら、おめでとうございます。
原作名:魔法少女リリカルなのは
作者:dragonfly
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=toraha&all=14611&n
[あらすじ]
ある寒い冬の夜、八神はやては庭に迷い込んだ一人の女の子を拾う。見た目は5、6歳、痣と擦り傷で気絶していた女の子である。
女の子の名前は『54』。ある暗殺者組織に育成と教育を受けていた暗殺者候補。組織が他組織との抗争に敗れ、我が身の危険を察した彼女は逃走、かろうじてここまで逃げてきたという次第。
54に同情したはやては、彼女に『あゆ』という新しい名前を付け、姉妹として一緒に生活するようになる。
あゆの偶然の仲立ちにより、原作よりも早く目覚める守護騎士。そして魔力蒐集の手段として、あゆと守護騎士たちはジュエルシードの回収競争へ介入していく。
[文章]
主にあゆを中心にした三人称で、人によってはとっつきにくい感のある文章かな。キャラ全体を冷静に俯瞰しているのが、とっつきにくさの主原因かもしれない。だがそれが気にならなくなれば、誤字脱字も少ないので読み易い。
[総評]
転生でなければチートでもない。ちょっと変わったレアスキルはあるものの、それを使って無双できる程ではないし、魔導師ランクも低い。しかもあゆの背景が背景なので、1話の半ばで切っても仕方ないと思う。ジュエルシードや闇の書に関しても、独自解釈と設定が加わっており、その手の書き物が嫌いな人も、敬遠する要素としてはあり得る。
何やら地雷臭漂う評価になっているが、それぞれの人物の内面はしっかり描かれているのはポイントが高い。
時々他の二次小説で見かける人格破綻したオリキャラの管理局局員も登場しない。と言うか、オリキャラはあゆだけで、他は原作キャラで話を進めている。これも安定した安心感を与えてくれる。
シリアスの中に笑いあり、微鬱あり、ほのぼのあり、涙あり。
StS編まで終わり本編は完結しているが、IFのネタ話がたまに投稿され続けているシリーズ。
転生チートオリ主の無双ハーレム物(かつエター)に飽きた時の、お口直しの清涼剤に。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:GSZ
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=akamatu&all=18509&n
[あらすじ]
ネットアイドル「ちう」こと長谷川千雨は、2年終業式後のパーティーの帰り、蒼い珠の嵌ったペンダントを拾う。
明日交番にでも届けるか、と呑気に構えたいたものの、事態は自称『常識人』の千雨の想像の斜め上を超音速で飛行していた。
「ジュエルシードの暴走を確認しました」
と話しかけるペンダント、もとい、インテリジェントデバイス『アロンダイト』。
何でもこの世界の魔法使いでは、魔法の運用方法や魔力の質的に、退治しようと魔法を使用しても、ジュエルシードに魔力を供給するだけで歯が立たないとか。ジュエルシードに対応できるのは、アロンダイトを起動できる千雨しか麻帆良にはいないらしい。
上手く乗せられている気がしつつも、自分の平穏な生活を取り戻すため、魔法少女ならぬ魔導師・長谷川千雨の戦いが始まる。
[文章]
誤字脱字はなく読み易い。
一部の表現手法に読み辛さと違和感があったのが、少し残念に感じた。戦闘シーンにもそれがあり、読む勢いを萎えさせてしまうのも残念。
それを除けば、及第点以上の評価だと思う。
[総評]
最近見かけるようになった『千雨魔改造』の走りの一作?
『魔法少女リリカルなのは』で、虚数空間に落ちたジュエルシードとプレシアの開発した試作品デバイスが、麻帆良に落ちて騒動を起こすと言う設定。
平穏に過ごすために魔法使いとの関わりを避ける千雨と、自分達正義の魔法使いに協力できないのは、後ろめたい理由があるに違いないと、攻撃を仕掛ける魔法使いサイド。ネギの成長のために、抱き込めぬなら巻き込めないかと思索する近右衛門。
当然、千雨と魔法使いが相容れるはずがなく、四面楚歌の中、孤軍奮闘する千雨の頑張り物語。
原作名:Monster Hunter
作者:じゅっ
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=28159&n
[あらすじ]
事故で車に撥ねられ、ビルの壁とサンドイッチにされて死亡。気が付けば目の前に神様。
「孫が生まれたので、その記念に転生してみんか?」
望んだのは、強くて恰好良い肉体と幸運。
得たのは、赤い竜の肉体。そう、リオレウス。
と言う訳で、新たに始まった人生ならぬ竜生。
望んだ強い肉体は、望み通りに規格外。その辺の竜種は餌にしかならないし、古代竜とも渡り合える。得た幸運は、縄張りが成体になるまで未開の地でいられた事。
それでもいつかはやってくる人間の開拓者。そして衝突。
人並みの知性を持ち、その辺の竜を餌にする程に強力な飛竜と、肥沃な土地を求める人間との戦いの火蓋が、ここに切って落とされる。
[文章]
リオレウス視点の時だけ一人称で、他は三人称と少々変則的な文章。でも違和感は少ない。各話の文章量が少々少ない気がするので、2話つなげても良かったのではないか、とは思う。
[総評]
人外転生物。
大抵は序盤か中盤に入る前に、人語を話すようになり、人化する手段も得てしまうので、「どこが人外転生物?」となるのだが、この作品では一貫して話さない人化しない、で締めている希少な作品。
恋愛要素? ハーレム?
そんなものはありません。これは、チートで天然なリオレウスが、矮小な人間を時には吹き飛ばし、時には崇拝され、時には別の竜種と喧嘩する、そんな物語。
折角の人外な主人公なのに、人間と馴れ合うなんて我慢できない。そんな人にお薦めの一作。