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【注目の天文現象】
 9/17 中秋の名月

非冷却CMOSカメラASI585MCでの試写【月撮影編-1】

2024-02-23 13:58:28 | 撮影機材

先月、CMOSカメラで満月を撮った際の話です。

昨年末に入手したCMOSカメラはこれまで流星撮影にばかり用いてきましたが、元々は月・惑星撮影向きのモノなので、
先月26日、今年最初の満月となったウルフムーンで実力を試したのでした。
短焦点屈折望遠鏡にカメラを取り付け、いわゆる直焦点撮影で捉えた4K動画がコレです。


 ZWO ASI585MC+タカハシFSQ-85EDP(450mm F5.3),Gain0,2ミリ秒/フレーム,
 動画撮影時間1分,タカハシEM-200Temma2M赤道儀にて恒星時追尾

地球の自転で日周運動する天体を赤道儀のモーター駆動で追尾しており、一見すると全く動かない静止画状態の満月が
中央に写り続けているだけに見えますが、PC画面でフルスクリーン状態にして見ると月縁が細かく波打ってる様子が
確認できると思います。冬場は本州上空にジェット気流が居座っているため、シンチレーション(像の揺らぎ)が大きく、
画質が損なわれてしまうんですよねー。1分間の動画撮影で得られたフレーム数は867で、その中には像揺らぎの大小で
ボケ具合の異なるフレームが玉石混交状態になってます。そこで "AutoStakkert!3" っていう海外のソフトを用いて
相対的にシャープに撮れた良像フレーム(今回は半数)のみを自動抽出した上でスタック(自動重ね合わせ合成)を行って
ノイズを平滑化した後、"RegiStax6"という別なフリーソフトを使ってWavelet変換と呼ばれる数学的手法に基づいた
画像強調処理(AI処理/解析ではありません)を施し、解像感を高めた1つの静止画を作成するのが王道になってます。
その最終仕上げ画像を動画の最後に加えていますが、元動画で見られるイメージに比べて段違いの解像感になっている
のが分かると思います(実は動画最初のタイトルに使っているのも同じ画像)。

ところで、昨年まで月を撮るのに使っていたミラーレス一眼でも、得られた撮影動画を同様な画像処理を行って1枚の
画像を作成してましたが、カメラ搭載の撮像センサーは写野の広いフルサイズである上にフルハイビジョン(FHD)の
1980×1080ピクセルフォーマットの動画が元になってました(4K動画も撮れますが、ファイルがトンデモ容量になって
しまうので避けてます)。そのため最終仕上げ画像の解像感がイマイチでしたが、新調したCMOSカメラ搭載のセンサー
(ソニー製IMX585)は元来セキュリティ用途のため1/1.2型の小さなサイズであり、しかも4Kフォーマット(3840×2160
ピクセル)動画がUSBケーブルで接続したPCに直接取り込めるので、同じ望遠鏡を使ってもフルサイズカメラより遥かに
狭い写野範囲を細かい画素ピッチで捉えることになり、解像力の向上につながる訳です。気流の状態が良くなる季節に
なったら、長焦点望遠鏡を使ってクレーターの強拡大撮影もやってみたいですねぇ。
(多分つづく)



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